スクワットを行う時の足幅は、鍛える部位によって変わってきます。

一般的には”肩幅”で行ないますが、この場合、太ももの前と後(大腿四頭筋・ハムストリング)、お尻の大きな筋肉である”大臀筋”、そして多少、脊柱起立筋が刺激されます。

下半身を鍛える「スクワット」/短時間でできる部屋トレ実践講座 vol.3



肩幅よりも狭くすれば、ハムストリング・大腿四頭筋・大臀筋がより一層刺激され負荷が高まります。

逆に肩幅よりも1.5倍以上広くとった場合は、太ももの内側の筋肉である”内転筋”への負荷が高まり、脊柱起立筋への負荷は肩幅で行う場合に比べ、大きく減少します。

ワイドスタンス・スクワットの方法

股関節スクワットと膝関節スクワット

スクワットは、初心者において膝の障害防止の観点から、

【1】上体を前傾させ、お尻を突き出すフォーム(結果、膝は爪先よりも前に出ない)で行なうのが一般的ですが、この場合、もっとも負荷が大きいのはハムストリング(太もも裏)になります。
※筋トレTVで解説しているのは、このフォームです。

これを関節を起点に動作することから「腰関節スクワット」と言います。
腰の屈曲から動作が開始され、続けて膝を曲げていく形を取ります。

こうすることで、膝が前に出にくくなり膝に不必要な負担を掛けず効果的に下半身を鍛えることができます。

股関節スクワットの場合、膝を前に出さず、お尻を突出すことから重心がうしろに移ります。
そのため腰を曲げる角度を深くし、上体を前方へ傾けることでバランスを取ることになります。

動作は連動するため腰の屈曲、膝の屈曲はほぼ同時に行われますが、ほんのわずか膝の屈曲が遅れて始まることになります。

フォームの確認では、腰を曲げお尻を突き出したところで確認、次に膝を曲げていくところで確認するなど、動作のポイントで逐一止めながら行うことに問題はありません。

実際のトレーニングでは、腰から動かし、ほぼ同時に膝を曲げ、流れるように連動して動作することを心がけて下さい。

【2】逆に上体を立て、お尻が突き出ないフォーム(結果、膝は爪先よりも前に出る)の場合は、大腿四頭筋への負荷がもっとも高まります。
※この方法は、アスリートなどが競技力向上のために正しいフォーム、正しい負荷で行なえば問題ありませんが、一般の方はトレーナーなど指導者のサポートを受けることをオススメします。

これを関節を起点に動作することから「膝関節スクワット」と言います。
膝の屈曲から動作が開始され、続けて腰を曲げていきます。

膝関節スクワットの場合、膝を前に出すため重心が前に移ります。
そのため腰を曲げる角度を浅くし、上体をほぼ立てた状態にすることでバランスを取ることになります。

動作は股関節スクワットと同じように、膝の屈曲、腰の屈曲がほぼ同時に行われ、ほんのわずか腰関節の屈曲が遅れて始まることになります。

このように足幅やフォームによって随分と使われる筋肉が違ってきますし、細かく見ていくと同じスクワットでも動作に違いがみられることが分かります。

基本、【1】の上体を前傾させ、お尻を突き出すフォームで行なうことを前提とし、
・ 下半身をまんべんなく鍛えたいと思ったら、肩幅か肩幅よりも狭いフォーム
・ 内転筋をより鍛えたい場合は、肩幅よりも広めのスタンスを取る

このように目的に応じて足幅を調節すると良いでしょう。

自分の足幅の見つけ方

スクワットの足幅は体型や重心などで個人差がありますので、本来画一的に決められるものではありません。

ただ、一般的には上記で説明したような足幅を取ることで、下半身に対する刺激が十分に得られると考えられます。

しかし、自分に適した足幅を見つける方法もあります。(最初の動画内で紹介している方法)

肩幅程度で行う通常のスクワットに適用できる方法ですが、自分にとって最も動作しやすく、バランス良く刺激を加えることができる幅を探すことができます。

体の声に耳を傾ける感性に従った方法です。

方法は簡単です。

目をつむって何回かジャンプし、自分にとってバランス的にベストと感じたところでジャンプを止めます。

その足幅が、あなたにとって最適なポジションとなります。

基本は自分の幅を認識したら、ポジションを覚えておき、毎回その幅で行っていくようにします。
体調や体重の増減などで日によって微妙に変化する場合もあるので、毎回確認してもOKです。

バーベルやダンベルを用いて行う場合は、最初に何も持たずにジャンプしてポジションを見つけ、ウエイトを持ったときに確認したポジションで行うようにます。