初心者や女性・高齢者の方など、体力が低くスクワットがうまくできない、きつくて続けられないといった声を耳にします。そこで今回は正しい方法を身に付けるとともに、体力に合わせてステップアップしていく方法を学ぶことで初心者でも続けられるスクワットのやり方をご紹介します。



目標回数(時間)と頻度

  • 【回数】60秒×1~3セット
    ※続けて行うことができない場合は、10秒を6回に分けて行ってもOK
    ※セット間の休憩は60秒
  • 【頻度】1~2日おき
    ※フォームの習得期間や負荷が軽いうちは、毎日行ってもOK
    ※疲労度に応じて調節する
    ※場合によってはもっと空ける

足幅など、動作に入る前の基本姿勢

スクワットは、腕立て伏せや腹筋運動と並んで最もポピュラーな運動種目の一つです。下半身全体を強化するのに非常に有効な種目なので、しっかり覚えていきましょう。

まずは、立ち方です。直立した姿勢はもちろんですが、足の幅をどのくらいにしたらよいのか?
これは自分の体のバランスを取っている三半規管と言う機能を利用して決めていきます。

直立して目を閉じるような感じでリラックスして下さい。その状態からリズミカルに跳躍(ジャンプ)します。膝のバネを使って軽く飛ぶようにするのがポイントです。

しばらく飛んでみて、自分が一番安定して飛べる足幅が自分の足幅になります。

動作方法~股関節から動作をスタートさせる~

スクワット

基本姿勢が取れたら、膝を前に出さないようにしてできるだけ深くしゃがんでいきます。膝を前に出さないようにする上でのポイントとしては、お尻をうしろに引くところからスタートすることです。しゃがむ動作を何も考えずに行おうとすると、膝から動作が始まり、膝が前に出やすくなってしまいますので注意して下さい。

特に柔軟性があまりない、筋トレなど特別に運動をしたことがない、下半身がだいぶん弱ってきているような方の場合は、膝を前に出すやり方は膝関節に負担がかかってしまいますので避けた方がよいでしょう。

そのため、膝への過度な負担を避ける必要があるわけですが、その際のコツとしては、まずはお辞儀するようにして体を前に倒し、一旦股関節を曲げる(お尻をうしろに引いた状態になる)ことから動作をスタートさせることです。股関節を曲げたら続けて膝を曲げてしゃがんでいきます。

まずは形を作っていくために、わざと股関節から曲げて、次に膝を曲げる流れでフォームを身に付けていきます。カクカクしいですが、動作習得の重要なステップになります。

股関節から曲げることを意識づけできたら、一連の動作にスムーズな連動を加えて、フォームを完成させます。つまり、股関節から動作させることに変わりありませんが、動画を見ていただくと分かるように、フォームを客観的に見たとき、股関節(腰)と膝をほとんど同時に動作させるようにします。股関節を動かしたら、即座に膝を動かす。ほんのわずかですが腰から動作させるんですね。そうすることで、膝が前に出ることを防ぎながらも、スムーズさが出て、リズムよく動作することが可能になります。

体幹については出来るだけ固定し、お腹をしっかりとへこました状態を保って動作するようにします。動作中に背中が丸くならないように注意しましょう。

固定すると言っても、上体が床に対して垂直になるように立てたまま動作すると言うことではありません。しゃがんでいくにつれて、バランスを取るために上体は前方へ倒れていくことになります。その際に背中が丸くならないように体幹部を固定したまま動作すると理解して下さい。

目線は、傾きに合わせて下に移動し、下ろし切ったところでは床を見る形になります。首を反る形で無理して正面を向いたまま動作すると背中が過度に反ってしまい腰への負担や効果に影響するので注意して下さい。

どこまでしゃがめばいいのか可動域を決める一つの目標としては、手を下げた状態で動作し、指先が床に付くところを最初の目標とします。その他、頭の後ろに手を組む、肩の上に手を置くなどの方法があり、いずれの方法をとっていただいても構いませんが、これらの場合は、太ももが床と平行になる位置まで下ろすことを一つの目安にしてみましょう。

体幹のブレを無くすためには、肘の位置を高く上げた方が安定しますが、慣れるまでの間は手を下げた状態で行う方法がやりやすいでしょう。

体力が低い人などがステップアップしていくための段階的トレーニング法

股関節(腰)を先に曲げる動作や、どのくらいお尻を引けばいいのか分かりにくい場合は、壁を使って動作する方法が感覚をつかみやすいでしょう。

具体的には、壁の前に立ち、壁にお尻を付けるようにして動作するようにします。こうすることで、自然と股関節が先に動作するようになり、股関節を先に曲げる感覚がつかみやすくなります。結果として、膝があまり前に出なくなり、膝の負担が軽減されます。これで安全にトレーニングすることができます。

また、壁に近づくほど、しゃがむ範囲(可動域)は狭くなり、遠ざかるほど可動域は大きくなります。基本的には可動域が狭いほど強度は低くなり、広いほど高くなります。そのため、体力が低い方や柔軟性があまりない方、あるいは女性や高齢者の方は、壁に近い方から始め動作範囲を狭くして行うと動作がやりやすくなります。慣れてきたり、体力が付いてきたら、壁からの距離を広くしていき、強度を高めることでステップアップしていくようにするとよいでしょう。

このように壁を使い、体力に合わせてトレーニングを進めていくことで、安全にスクワットをできますし、目標とする回数もこなすことができ、比較的早いタイミングで体力を向上させことができるようになります。

反復回数について

はじめて筋トレを行うときに悩むのが、どのくらいの回数行えばいいのかと言うことです。

ここでは、しっかりと効果を得るために回数ではなく(※)、時間でトレーニングしていくようにします。
(※)回数で行う場合、負荷の調節がうまくいかず余力を残す場合があります。それを回避するため、時間内でできる限り反復し、余力を残さないようにします。

つまり、時間を決めて、その間反復を繰り返す方法です。あくまで時間なので何回できるかは問いません。もちろん、負荷の調節がうまくできるようでしたら、回数で行っても構いません。

目安としては、1分を目標に反復を繰り返すようにします。

ただ、特に初心者の方や体力が低い女性、高齢者の方などは、1分連続でできない場合もあると思います。その場合は、30秒やって一旦休憩を入れ、また30秒やるなど1分を分割して、合計で1分になるようにします。10秒しかできなければ、10秒を6回行うような形になります。

始めのうちは無理のないよう怪我にだけは注意して、出来る範囲から筋トレを進めていくようにしましょう。

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長