腕立て伏せがボディメイクに効果的なことは分かっているけど、女性や体力が低い人にとっては、きつくてうまく反復できない・・・、筋トレが続かない・・・、といったことがよくあります。そこで、本講座では強度が低い方法から段階的に進めることで、腕立て伏せの効果を得ながらもボディメイクしていく方法をご紹介します。



腕立て伏せ段階的トレーニング法

女性の方が体を引き締める上で、非常に効果的な腕立て伏せの方法について解説します。

一般的に男性と女性を比較すると男性の方が筋力が強くて、体もガッチリしているということから、腕立て伏せは軽々とできるトレーニング種目の一つに含まれています。

一方、同じようなトレーニング効果を期待するとしても、女性がやる場合には負荷が大きすぎてなかなかできない。なかなかできないことを続けていくことは非常に難しいことになりますので、つい敬遠しがちになってしまいます。

ところが、効果があること自体は知識として分かっていると何とかしてやろうとしてしまいます。その時によく行われている方法として膝を付いた状態で行う腕立て伏せがあります。

この方法でのトレーニング効果としては、二の腕での引き締め、それからバストの引き締め・バスアップ、こういったところに効果が得られます。

しかし、膝を付いた状態で行って、それから今度は膝を伸ばして通常の腕立て伏せの形にした場合には、一気に負荷が上がってしまいますので、なかなか思ったようにできなかったりします。

特に多いフォームの間違いが、膝を伸ばして行った場合に頭が下がってしまう。それから腰が反ってしまう。腰が反らないようにお尻が上がってしまう。こういったフォームの間違いがよく見受けられます。

もちろん、フォームが間違っていたとしても特に怪我をしない場合、あまり無理をせずにできる範囲の中で動くということに関して言えば問題ありません。徐々に慣れていって、背中を真っ直ぐに伸ばした状態に近づけていくようにしていきます。

そこに向けてトレーニングを行っていれば問題ないわけですが、そもそも何のために腕立て伏せを選ぶのかということを考えますと、全身を引き締め、姿勢を美しくして綺麗な体を作るというのが、多くの女性が求めてあることだと思います。

であるならば、腕立て伏せの曲げ伸ばしを考えるのではなく、まずは肘を伸ばした状態で止めるというところから入るのをオススメします。

【第一段階】 腕立ての姿勢をキープする

よく行われている体幹トレーニングと同じですが、四つ這いの状態から片脚を伸ばして、そこにもう片方の足を合わせて、腕立て伏せの準備の状態を作ります。

アームスタンディング

この状態でフォームをキープします。頭が下がらないように注意して下さい。

このような体幹をキープした状態をできるだけ長く、できれば1分以上を目標に頑張って下さい。もし、1分以上できる状態になったら、(その時の体力の範囲で)必ずひじの曲げ伸ばしもできるようになります。

【第二段階】 できる範囲で肘を曲げる

特に深く曲げる必要はありません。キープができるようになったら、自分で無理なく曲げられる範囲

このような感じでほんの少し曲げることから始めてみましょう。

肘関節に関して真っ直ぐ伸ばした状態から、ほんのちょっと曲げるだけであれば特に問題なくフォームをコントロールすることができます。その後、深く曲げられるようになっても、肘関節が90度よりも深く曲げる必要はありません。

【第三段階】 体力アップに合わせて徐々に深く曲げていく

少し曲げることが楽にできるようになってきたら、さらにもう少し曲げて、徐々に曲げる範囲を広くしていきます。

腕立て伏せで使っている筋肉は、腕の裏側、振袖状態になっている部分(二の腕)、上腕三頭筋とう筋肉で、この筋肉が主働筋になっています。

肘の関節を伸ばす筋肉は肘関節の屈曲角度が90度広いところでしか働かないので、90度より狭くして、深く曲げる必要はありません。

逆に言うと、深く曲げる腕立て伏せは運動特性としては間違った動きということになりますので、注意して下さい。

くれぐれも深く曲げすぎず、出来る範囲の中で少しずつ曲げていくようにして下さい。

その他のポイント

手幅が狭いと手首に負担がかかってしまいますから、手首が窮屈だったり、痛みが出る場合は、もう少し広げても問題ありません。無理をしないようにして行うようにして下さい。

また、一番下に下ろした時に前腕が床に対して90度(前腕が垂直)のところに立っているようにしておくと効率的に動作することができます。

腕立て伏せをやっているときに、美しい姿勢を作ることがポイントになりますので、背筋をまっすぐに伸ばすだけでなく、お腹をへこました状態でトレーニングを行うようにして下さい。

第二段階の時点で、どうしても床で行うと負荷が大きくきついといった場合は、(楽にできる方法として)椅子の高さを利用して角度をつけて行う方法もあります。

いずれにしても、膝は真っ直ぐに伸ばした状態にし、手首の真上に肩がくるようにします。この状態からほんの少しだけ肘の曲げ伸ばしを行います。

腕立て伏せの場合は、必ず肘を真っ直ぐに伸ばすようにします。ここまでを正確に行うようにして下さい。伸ばし切らずに、曲げた状態のまま中途半端に行うことがないようにしましょう。

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腕立て伏せの目標回数(時間)と頻度

  • 【回数】60秒×1~3セット
    ※続けて行うことができない場合は、10秒を6回に分けて行ってもOK
    ※セット間の休憩は60秒
  • 【頻度】1~2日おき
    ※疲労度に応じて調節する
    ※場合によってはもっと空ける

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長