股関節の筋力や滑らかさ、柔軟性を維持改善することは、日常の動作やスポーツのパフォーマンスアップにおいて非常に大切な機能になります。継続して行っていくことで股関節周りのスタイルにも影響してきます。正確に行うことに第一の目標にして取り組んでいただければと思います。



肩関節・肩甲骨のウォームアップ・ストレッチ

上半身の運動の中で特に重要になってくる肩関節周辺の可動域を広げながら、そこの中で肩のコンディションを良くしていくようなストレッチをご紹介します。

いくつかの種目によって構成されていますので、どれも丁寧に反復しながら自分のモノにしていただければと思います。

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肩関節・肩甲骨のストレッチ(1)-肘を回す動き

最初にやっていただきたいことは、肘をできるだけ大きく回す動きです。シャツを着ている場合は、肩口の部分を指先でしっかりと摘まんで離れないようにして行います。これは動きの一つの目安となってきます。

この状態で肘を閉じるようにしてくっつけて、そこからなるだけ高く肘を上げます。上げていく途中で簡単に肘が離れてきかないようにし、限界まで来たら肘を離しながら頂点まで上げていきます。上げ切ったら肘の先端部分で円を描くようにして下ろしていきます。



一方向に動かしたら、逆方向にも動かしていきます。うしろから前に持ってくるときには肘を外側に開き上げ切ったら耳をかすめていく感じで下していくようにします。

出来るだけ大きく動作するのがポイントです。また、肘が天井に向くまで上げるのがベストですが柔軟性が低い人は可能な範囲で上げていくようにします。ストレッチを繰り返していくと徐々に可動域が広がっていきますので、目標としては天井を向けるようになることを意識して行いましょう。

回転させる速度を速くしようとすると、つい中途半端な動きになってしまいます。動かすことで体が温まってきますし、肩の動きも滑らかになってきますので、中途半端にやっていても何となくやったつもりに思えてしまいます。

そこで特に注意していただきたいのは、ゆっくりした動きで構いませんので出来るだけ可動域を大きくしていくということです。

もし、どちらかの肩を痛めているとか、あるいは背中のどこかが張っているということで左右対称の動きができない場合には片方ずつ行っても構いません。片方ずつ行う方がより大きな動きを作っていくことが可能になってきます。

ちょっとしたバリエーションになりますが、例えば右肩を大きく動かしていくときに肘の先端で大きな円を描くとします。最初は小さくても慣れてきたら徐々に大きく円を描く。今度はそこに背骨の動きもくっつけていって体の側面を伸ばしていきながら、さらに大きく円を描くこともできます。

最終的に競技スポーツに応用するような方の場合には、両手同時ではなく片手ずつ行うやり方の方がより大きな動きを作っていくことができますので、ぜひ試してみて下さい。

それからさらに動きのコーディネーションを良くしていくためには、同じ方向に動かすだけでなく逆方向に、互い違いに動かしていく方法もあります。

前に回す、うしろから回してくる、そして左右を互い違いに動かす。こういったことを組み合わせながら肩関節の動きを出来るだけ滑らかにしていきましょう。

なぜ肘を曲げて行うかといいますと、実は手をグルグル動かす(回す)だけでは肩甲骨があまり動かないんですね。肘を曲げて行うことによって肩甲骨がダイナミックに動くようになります。この骨の動きを引き出してあげるために、わざと肘を曲げた状態で行ったわけです。

意味がある事なので、こうした基本的なことをマスターして丁寧に行っていただければと思います。

肩関節・肩甲骨のストレッチ(2)-腕をねじる動き

肘を回す動きで肩甲骨のストレッチやったら、今度は徐々に腕を伸ばした状態で肩関節をさらに滑らかに動かしていくようなプログラムへ移っていきます。

腕を左右一直線に伸ばしてください。

鏡がない状態だと手が下がってしまったりすることがありますが、なるだけ自分のフォームをチェックするために鏡の前に立って一直線のポジションを作ってあげるようにしましょう。

手の位置は完全に真横に伸ばしてください。前方に持っていったり、あまり不要に手をうしろに引いて胸を張る必要はありません。

左の腕から右の腕に抜ける、これが一直線になるようにしっかりとポジションを作ります。

この状態で腕全体をねじっていきます。前にもねじります。

腕の動きを作る時にどうしても手首から動かす方が動かしやすいので、手首を先行して動かしがちになります。腕の付け根から動かすという感覚がないと手を上向きと下向きに変えることだけで動作をやった気になってしまいます。

今行っている運動は、肩関節の中の小さな筋肉までしっかり使えるようにするためのプログラムになっていますので、腕を伸ばした状態で肩の付け根の部分からしっかりと動作を作っていくようにして下さい。

腕全体をうしろに回していったときには、少し胸を張ったような状態になります。そこから前方へ回転させていったときには肩が少しすくむような状態になります。どのような姿勢になっているかも意識して正しい動作を作っていきましょう。

左右同じ方向に動かすということをやったら、今度は右腕と左腕をそれぞれ逆方向(互い違い)に回転させるというものを横一直線の状態で作っていきます。

まず水平のポジションを作って、片方は後ろに、もう片方は前方に回していきます。これ以上回すことができないと言うところまで来たら、そこから逆方向へひねっていきましょう。

この時に注意していただきたいのは、動作を作る時に首が動いてしまうことがよくあるということです。

体の中心線、体軸は真っ直ぐにコントロールした状態で、動かすのはあくまでも肩の関節と腕そのものを回転させます。そこを意識しながら、体の中心軸がぶれないようにコントロールして行って下さい。

肩関節・肩甲骨のストレッチ(3)-肘を曲げて肩を稼働させる動き

そして、次に行っていただきたいのは、今度は肘の角度を90度に曲げたところで同じ動作を行うことです。

腕を伸ばしたままスポーツをするということはほとんどの場合はありません。実際に強い力を出す時には、ボールを投げる時でも、ボクシングなどの格闘技でパンチを打つ時でも基本的には肘関節が90度に曲がったところで大きな力を加えることが大半です。

したがいまして、伸ばした腕で行った後に今度は肘を曲げた状態で、同じように動作を作っていきます。

この動きの中で注意しないといけないのは、手首の動きでごまかさないということです。

横方向から見たらわかりやすいのですが、可動域いっぱいに動かしていったときに可動域が小さい場合には手首を使って(曲げて)動かしたような気になってしまいます。

動かしたいのは手首ではなく肩の関節なのでできるだけ手首は一直線に固定したまま肩の付け根の部分から動作が起きるようにしていきます。

したがいまして、手首の動きを加えずになるだけ固定をしたままいっぱいいっぱい稼働させてください。

この動きは腕を伸ばして行うときと比べて肘の動きが上下にブレやすくなってしまいます。肘から肩、反対側の肩、そして肘に抜けるラインをしっかりと作ったのちにラインが下がっていかないように注意しながら丁寧にゆっくりとした動きで行います。

同じ方向に動かしたら、今度は左右を互い違いに動かしていきます。

この動きの時にも体の中心軸が崩れていかないように真っ直ぐを保った状態でできるだけ丁寧にやってください。

回数と注意点

それぞれの種目については、1セットを10回から始めて、徐々に反復する回数を増やしていきます。

あまりスピードにこだわってダイナミックに行ってしまうと中途半端な関節の可動域になったり、あるいは可動域を越える時に勢いでいってしまうと逆に肩を痛めてしまうこともでてきます。

そのため、この動作に関してはスピードを多少犠牲にしても可動域は筋力の力によって少しずつ広げていくように丁寧に行うことを意識してもらいたいと思います。

可動域を越えるようなところで反動で持っていくと怪我の原因にもなってきますので、そこだけは必ず守ってください。

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部特別客員准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長

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