食事・栄養摂取は我々が生きていく上で欠かすことができないものです。その中でも特に子供たちは身体的および精神的な成長を育む上で適切に栄養を摂ることは最も重視しなければならない取り組みであります。今回は、学校の先生から出された質問に対して答える形で栄養の摂り方を解説していきます。



子供たちの食事と栄養

下の質問は、小学校・中学校の先生から出された質問です。

Q.給食を食べれない子が多い。食べる量を増やす方法を知りたい。

子供たちと一緒に毎日給食を食べてある先生方が、いつもお昼になったら給食を残してしまう子供がいるので心配をして、どうしたら食べられるようになるかなということで出された質問です。

我々が何のために食事をするのかということを考えたら、当然生きるために食べなければいけません。つまり、自分の体を生きながらえさせるためには細胞を元気にしておかなければいけないので、そこに細胞が動き続けられるようなエネルギー源が必要になりますし、そのエネルギーを抽出するためにいろいろなビタミン類、ミネラルが必要になります。

そういったものが全部体の中に過不足なく存在して、そして必要な身体活動を行っている時に体の中で消費が起きて、合成がなされて、その繰り返しによって我々は生きているということになります。



その栄養を摂るタイミングですが、ほとんどの方は朝だから朝ごはん、昼だから昼ごはん、夕方だから夕ごはんということで、社会生活の中で食事の間隔と言うのが身に付いていると思います。

当然学校の時間割りだとか、あるいは会社の勤務体制というものも構成されているわけですが、そこに自分を合わせていっているということになります。

ところが本来は食事をしたくなるのは、体の中で必要性が出るから食事をしたくなるわけです。

例えば、体の中の血糖値が低下してきているとか、アミノ酸が足りてないだとか、そういった事がある場合に食欲を起こして摂食活動をすることになります。

食べられない原因をしっかりと探る

食欲が湧いていないのに食事が出されても食べれないというのは当たり前のことです。

これは食べれる人が食べれない人の気持ちが分からないということでは解決になりません。自分がもの凄くお腹いっぱいの時に目の前に食事が出されて食べるかということを考えたら、好きかも知れないけど満腹だったら食べれないのが普通だと思います。

子供たちも表現力が備わってないけれど、もしかするとそのような状態にあるかも知れません。

どういうことかと言うと、例えば塾に行って帰ってきたらすごく遅くなっていたとか、あるいはたまたま夜遅くまでゲームをしていたとかあるかも知れません。そうすると朝なかなか起きてこないと言うことも当然起きてくるわけですね。

昨日の夜までにやったことというのが、次の日の朝以降に体の反応として出てくるわけですから、朝が起きれないような状態の時にギリギリまで寝かせておいて、さあ学校に行かないと遅刻するよという状態で起きてぼっーとした状態で送り出すというようなことであれば体は目が覚めていないということもあるでしょう。

その時にひもじい思いをさせてはいけないと言うことで親が食欲が起きていないのに無理やり詰め込ませたとなると、当然胃腸は動いていないわけですからお昼になっても食欲は回復しないということが起こってもおかしくありません。

ですから、いつもそういう状態にあるのか、その子供が給食を食べれないと言うのが特定のおかずの時だけ食べれないのか、いつも食べれないと言うのでは意味も変わってきますので、個別のケースに応じて、どうしてその子が給食を食べれないのかということをヒアリングやご家族、保護者に対して質問を投げかけて、もちろん子供本人とも話さなければいけませんが、そこの中から原因を探るということを避けてはいけません。

食べないと遊んじゃいけないよとか、締め付けによっては全く解決しませんので、原因をしっかりと探ると言うことが重要になってきます。

食べる量を増やすことはナンセンス

食べる量を増やすことに関しては、先生が成長途中の子供たちなので食べて大きくなってほしいと言う善意から生じていることは間違いありませんが、食べる量を増やすということも基本的にはナンセンスです。

量によって体が大きくなるわけではないんですね。

大事なことは食べたものを確実に消化して吸収することです。量はどうでもいいのです。ここを間違えてはいけません。

大事なのは、消化・吸収、その次に合成です。合成まで行かないと体は大きくならないわけですから、どんなにお腹の中に詰め込んでも胃袋の中にモノが入っているというだけで、その時点では栄養になっていないということを気が付く必要があります。

どのようにして消化して、吸収を高めていけばいいのか

噛む回数を増やす

一番簡単にできる方法は、噛む回数を増やすと言うことです。

私(森部先生)は一口100回噛むように指導しています。子供だけでなく、オリンピック選手、プロ選手、プロのモデルさん、芸能人など、いろいろな方々に指導しています。

その方たちが体づくりをしたり、身体能力を高めたりするには強い体を作らないといけないので栄養をたくさん摂ることはもちろん重要になりますが、さらに重要なことは、よく咀嚼をして確実に吸収をするということなのです。

噛まない状態では消化液は食べた物の外側からしか消化していかないので消化に時間がかかってしまいます。

ところが、咀嚼回数を増やして食べるものを細かくぶつ切りにしていくと表面積が増えます。同じ量の消化液しか出なかったとしても、面積が広がっているのでまんべんなく消化が進みます。そうなると消化時間が短くて体が疲れる必要がなくなるわけです。

咀嚼回数を増やすと当然そのことによって唾液腺の刺激が起きますので、唾液がたくさん出ることにも繋がります。

唾液がたくさん出ると今度は胃が反射を起こして蠕動運動などが進んで胃液の分泌も盛んになります。これが消化システムと言うものです。

ですから、我々の体に備わっているシステムを起動させると言うことが実は一番重要で、何を食べるかと言う事よりもどのように食べるかということが重要なのです。

食べる量を増やすという考えを捨てて、まずはよく噛んで食べる、それも10回、20回、30回では全然足りません。1口100回噛むことを目標にして少しずつそこに近づけていって下さい。

最初からはまず100回は噛めないです。これは1口食べたら2、3回噛んだら飲み込むのが反射として出来上がってしまっていますので、子供たちには特によく噛んで食べると言うことを先生方、保護者の方も自分がお手本になって咀嚼してみせて下さい。そのことを子供たちにも再現させて習慣化していくことが重要になります。

食事中に水分を摂らない

次に咀嚼回数を増やしてせっかく消化システムを起動していますので、今度はその時に余計なものを入れないことが大切になります。つまり、食事中に水やお茶を飲まないと言うことです。

食事をする時に水やお茶で流動体で流し込んでしまうと、せっかく出た消化液が薄まってしまいますので効率が悪くなってしまいます。

ですから、たくさん噛んで唾液が出ていますので、何かを飲まなければいけないということはほとんど無くなっていきます。水やお茶を飲まなくていいような食べ方をする点で、前述した咀嚼回数を増やすことは有効に働きます。

これも最初からなかなかできないと思います。熱いものを食べたり、味付けの濃いものを食べたり、水分の少ないものを食べる時にはどうしても喉が渇きやすくなってしまいますので、そう言った場合は少しずつすするような感じで最低限を飲むようにします。ゴクゴク飲み干すような飲み方はやめた方がいいと言うことをお伝えしておきたいと思います。

そうすることで消化は順調に進みますし、そのことによって必要な栄養素が体の中に取り込まれやすくなりますので、成長期に応じて適度な運動をやっておけば消化吸収、そして運動刺激によって体は休んでいる間に必ず大きく発達していきます。

体が大きくなると結果的に食べる量も増えていくということが十分予測できることになります。

ぜひ、正しい食べ方を子供たちに教えてあげて欲しいと思います。

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