腹斜筋を鍛える「ツイスティング・クランチ」のトレーニング方法を実演・解説します。腰を起点に上体をひねることで腹斜筋を鍛えることができる筋トレ種目です。手を伸ばすだけの動作になってしまわないように、しっかりとひねりを加えることを意識しましょう。



鍛えられる筋肉

第1ターゲット ・・・ 腹斜筋
第2ターゲット ・・・ 腹直筋

種目解説

ツイスティング・クランチは、上体にひねりを加えながら起き上がることで、腹斜筋に負荷をかけ、強化することを目的としたトレーニング方法の一つです。

ウエストの引き締め、横腹の脂肪燃焼に効果を発揮します。

ひねりを加え、対角線上の脚の外側に手を伸ばすのは、ひねりがおろそかになるのを防ぐ役目があります。しっかりひねりを加えることが大切です。

動作方法

  1. 仰向けになり、足を椅子の上に置きます。顎を引き頭を床から起こし、手は頭に添えるようにします。
  2. この姿勢がスタートポジションになります。

  3. この姿勢から床から背中を浮かすと同時に腰をひねり、腕を対角線上に伸ばします。
  4. 元の軌道を通ってゆっくりと体を下ろしたら、逆側も同様に動作します。
  5. これを左右で1回とカウントし、10~15回を目標に反復します。


ポイント

  • 反動を使わず、ひねりを加えながらながらゆっくり起き上がる
  • 戻るときは、ひねりをほどきながら、ゆっくり戻る
  • 上体を完全に起き上けず、ひねりを加えた方の骨盤は床に付いたままにする
  • 常に腹斜筋を意識する

目標回数

10~15回×2~3セット

腹斜筋の機能

腹斜筋を鍛える筋トレ種目にはツイスティング・クランチのほか、サイドクランチツイスティング・シットアップサイドベンドスタークランチトランクツイストリバース・トランクツイストサイドレッグレイズなど、いろいろな種類があります。

見て分かるように多くの種目がひねりを加えて動作することが分かると思います。横に倒して刺激するサイドベンドもあります。

このような動作をするのはなぜか?

これは腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)の機能、いわゆるどのような関節の動きで腹斜筋が収縮するかを考えると自ずと答えが出てきます。

まず一つに腹斜筋は、腰椎の回旋によって収縮します。
これがひねりを加える動作に当たります。ひねりを加えることで、腰椎が回旋するんですね。

主として回旋運動で腹斜筋に刺激を入れる種目は、ツイスティング・クランチ、ツイスティング・シットアップ、サイドクランチ、トランクツイスト、リバース・トランクツイスト、サイドレッグレイズなどが挙げられます。
もう一つが、腰椎の側屈によって収縮します。
これはわき腹を横に倒して腰を曲げる動作になります。このようにすることで、腰椎が側屈します。

主として側屈運動で腹斜筋に刺激を入れる種目は、サイドベンド、スタークランチなどが挙げられます。
最もポピュラーな種目はサイドベンドであろうかと思います。

厳密には回旋も側屈も組み合わされた動作もありますが、メインで行う動作がどちらになっているかと考えて下さい。

このように腰椎の回旋と側屈が腹斜筋の筋収縮に関わっていることを鑑みるなら、腹斜筋全体を抜かりなく鍛えるには、この2つの動作を別々に行う種目を取り入れることが有効になることが分かります。

メニューの組み合わせ例としては

  • ツイスティング・クランチ と サイドベンド
  • サイドクランチとサイドベンド
  • トランクツイストとサイドベンド

などが挙げられます。

どのメニューにもサイドベンドを入れているのは、側屈動作に特化していることと初心者でも比較的簡単に取り組むことができる種目だからです。

もの足りなくなって来たり、成長が鈍化してきた場合、あるいは腹斜筋の種目を3種目に増やす場合などは、変化を付けるため、多方面から刺激するためにスタークランチを取り入れてることは、有効なメニューとなるでしょう。

ツイスティング・クランチとツイスティング・シットアップ

ツイスティング・クランチと比較されるのが、途中までの動作が似ている「ツイスティング・シットアップ」です。

どちらもひねりながら上体を起こすことは共通していますが、起こす範囲がツイスティング・クランチは上背部までとなります。

ツイスティング・シットアップは上背部から下背部まで全体を起こし、腰の屈曲動作が入ります。

このことから言えるのは、腹斜筋を重点的に鍛えるなら、腹斜筋の機能に特化した「ツイスティング・クランチ」。

分散はしてしまうが、腹斜筋と同時に股関節の屈曲を機能とする腸腰筋も鍛えるなら「ツイスティング・シットアップ」。

初心者においては、このように使い分けるとよいでしょう。

もっとも、刺激を変えたり、バリエーションを駆使して停滞を防ぐため、鍛えたい部位を集中して刺激できる、できない関わらず、いろいろな種目を入れ替えたり、試すことは継続的な成長において大変有効です。中・上級者は、様々な視点からトレーニングのメニュー、プログラムを構築することが求められます。

筋トレ種目には様々な種類があります。
傷害の危険が少ない安全面と筋肉の機能、両面を担保できるものとして考えても無数にあると言っても過言ではありません。

経験を積む過程で、いろいろな種目を試し、取り組んできことで、よりよい体づくりを進めていただくことを心より願っています。