無数にある筋トレ手法の一つとしてEZバーを使って上腕二頭筋(力こぶ)を鍛える方法がありますが、ここではEZバーを取り入れた筋トレメニューの利点と力こぶを鍛えるカール動作における注意点、そして種目例を実演・解説します。筋トレがマンネリ化してきた方、プラトー(停滞)状態に陥っている方など、変化を付けるためのバリエーションとして活用してみてはいかがでしょうか。 



EZバーで安全にトレーニングしよう

上腕二頭筋を鍛える場合に選ぶ種目としては、バーベルカールダンベルカールなどがありますが、このような肘関節を曲げる筋トレというのはどの種目も上腕二頭筋を鍛えるのに有効です。

ただ、中にはストレートバーを使ってトレーニングしていると前腕に効いて、あまり上腕二頭筋に効かないという声を聴くこともあります。あるいは、ストレートバーを使って追い込んだところ手首を痛めてしまったという人もいます。

このような場合で、せっかくトレーニングしているのに目的とする部位にあまり効かない、追い込むと筋肉に刺激がいく前に関節を痛めてしまう。こういったことで筋トレを継続できない、あるいは効果が出ないというのは非常にもったいないです。 

このような問題点を解決する筋トレ器具の一つがEZバーです。ぜひ、この機会に利点や方法を学んで筋トレメニューに取り入れてみて下さい。

上腕二頭筋をピンポイントで刺激する

一般的にWバーやEZバーと言われますが、シャフトが曲がっている形をしているのでグリップを握ったときに手首にあまり負担がかからないという特徴があります。

バーを握って普通にアームカールをやっていただければ分かりますが、前腕にあまり刺激がこずに上腕二頭筋に強い刺激が入るのがよく分かります。

握る角度は違いますが、動きそのものはストレートバーを使うときとまったく同じです。

単純な動作ですが、やり方としては色々な種類があってスピードをコントロールしながらゆっくりやる方法もあれば、上げる時には出来る限り爆発的に速く上げて、下ろす時は重力に逆らないながらゆっくりと下ろしていくようなやり方、それから体の反動を使いながら大きな動きでできるだけ楽におもりを上げるというようなやり方などがあります。

やり方は目的によって変わってきますが、実際にやってみて自分が一番やりやすいやり方で基本的にはOKです。

上腕二頭筋、いわゆる力こぶの部分を特に発達させたい、強くしたいという場合は、安全かつ上腕二頭筋にピンポイントで刺激が入るやり方の方が効率よくトレーニングすることができます。

したがって、ストレートバーを使ったトレーニング解説でも説明しましたが、動かす時に大きな可動域をとらず、肘関節を曲げる筋肉であるというところを意識して90度の範囲でトレーニングを行うやり方が効果的であるといえます。

このようにコントロールして行うことで比較的楽にできますし、重さがかかったとして一番きつい部分よりも楽な方側でトレーニングしていることになりますから、上腕二頭筋をギリギリまで追い込むことが可能になってきます。

肘関節90度まで下ろせているうちはトレーニングを続行(反復)して構いません。

安全な可動域でトレーニングしよう

トレーニングの負荷の設定に関しては、回数、それから重さ、セット数まで含めて決める。複数セット行う場合はセット間のインターバル長さをコントロールすることによって負荷を調節するのが一般的です。

もし、時間があまりないような方で効率よく筋トレ効果を出したいと思われる方は、1セットでも構わないのでギリギリまで、これ以上は1回もできないところまで追い込む方法をおすすめします。

ただ、そのときに注意しないといけないのは、完全に肘が伸びきった状態で、もう1回も上がらない状態まで行ってしまうと柔道の腕ひしぎ逆十字を決められているのと同じ状態になってしまいます。

このように、おもりがかかっていて動けない状態で無理に上げようとすると関節や上腕二頭筋の腱の付着部分を痛めてしまうことになります。痛めてしまうと完治するまでトレーニングから長く遠ざからないといけくなってしまいます。

そのため、そのような状態に陥らないようにするためには、安全な可動域の中でトレーニングを行う。そして、その中でギリギリまで追い込むことが大切になります。

90度の可動域の中で動かしていると、一番きついのは肘関節が90度になったときです。

肘関節を下まで伸ばしている状態に比べると、90度の範囲で行う方法は筋肉が盛り上がって断面積が大きくなっているわけですから一番きついところまでやったとしても負荷を安全に受け止めることができる可能性が(伸ばし切った時よりも)高くなるわけです。

したがって、ギリギリまで追い込んだとしてもそうそう怪我をする心配はありません。

ですので、可動域としては90度の範囲でギリギリまで追い込むというやり方をおすすめしています。

ぜひ、この部分に注意をして取り組んでみて下さい。

無理やり腰を反らして上げるのはNG

上がらなくなってきた場合に、無理やり腰を反らすなどして持ち上げてしまったりするケースがあります。そこまでやってしまうとトレーニングしているのは上腕二頭筋であるはずなのに腰を反った時点で上腕二頭筋をうまく刺激できず、逆に腰に負担がかかってしまうことになりますので、体を反らして動作するような方法はおすすめできません。

うしろに反らないと上げられないような状態になった時点でトレーニングは終了だと判断して下さい。

間違ったトレーニングで変なところを痛めてしまっては元も子もありません。あくまでアームカールは上腕二頭筋を強化することですので、そのことを意識して正確に正しく追い込むことを心がけるようにして下さい。

EZバーを使った筋トレ種目例

集中的に上腕二頭筋を鍛えるのに効果的なEZバーを使った筋トレ種目をご紹介します。

シーテッドカールの方法

自宅で上腕二頭筋を効果的に鍛える筋トレとしておすすめできるのが「シーテッドカール」という種目です。

椅子やベンチに座ってEZバーカールを行うのですが、座っているためバーを下ろしたときに自分の太ももにバーが当たってしまうため肘関節が伸びきることがない点で安全にトレーニングすることができるメリットがあります。

それから座った状態なので体の反動を使いにくいため、より上腕二頭筋を集中して追い込むことができます。

やり方はシンプルで、太ももの上にバーを乗せたところからスタートし持ち上げます。下ろしたときは、太ももにつくかつかないくらいのところで動作を切り返して再び持ち上げます。この範囲の可動域でトレーニングを反復していきます。

特にEZバーやバーベルを使っている場合は、脱力してしまうと自分の脚を痛めてしまいます。そのため、事故防止の意識が働くため、ゆっくりと動作することが自然にできるようになります。

そして、脱力できないことで上腕二頭筋は休む暇がありませんからギリギリの状態まで追い込むことが可能になります。

また、座って行うため体幹の動作をあまり使うことができません。立った状態だと体をスイングして大きな動きで持ち上げることも不可能ではありませんが、それが座って行うとやりにくいということで上腕二頭筋を効率的に追い込むことができるわけです。

このトレーニングはバーベルでも、EZバーでも、もちろんダンベルで行うことも可能です。ダンベルで行う場合はハンマーグリップで行うなどバリエーションを加えることもできます。

ただし、シーテッドカールは腰痛を抱えているような方の場合は、座って行うと立って行うときのように脚力で負担を分散することができませんので、腰痛がひどいような方の場合はあまり適さないかも知れません。実際にやってみて無理のない範囲で行ってみて下さい。

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部特別客員准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長

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