腹斜筋をメインに腹直筋と腹横筋も鍛えられる「トランクツイスト」のトレーニング方法を実演・解説します。動画ではダンベルを持って実演していますが、体力的に難しい場合は、まずは何も持たずに行って下さい。体力が付いてきたら、ペットボトルやダンベルを用意するとよいでしょう。



鍛えられる筋肉

第1ターゲット ・・・ 腹斜筋(わき腹)
第2ターゲット ・・・ 腹横筋(※) 腹直筋
(※)腹横筋=腹部をコルセットのように包む深層筋

種目解説

トランクツイストは、上体を起こし、腹筋に負荷をかけたまま行ない、ひねりを加えることでわき腹の筋肉である腹斜筋をメインに腹筋群全体を強化することができる筋トレ種目の一つです。腹筋の引き締め、ウエストの引き締め、腹筋全体の脂肪燃焼に効果を発揮します。

ひねる時、腕だけでダンベルを左右に移動させてはいけません。きちんと腰からひねることで腹斜筋(横腹)へ負荷を意識的に高めてあげる必要があります。

動作方法

  1. 両手で一つのダンベルを持ち、体操座りの姿勢から脚を少し前に伸ばします。ここから上半身を30~45度ほど倒します。
  2. この姿勢がスタートポジションになります。

  3. 腰をひねりながらダンベルを床に付けます。
  4. 逆側も同様に行います。
  5. 左右行って1回とカウントし、15~20回を目標に反復します。

最大のポイントは、腰のひねりをしっかりと入れることです。

トランクツイストは腹斜筋を鍛える種目なので、腰のひねり(腰椎の回旋)が最も重要な動作です。
無意識に腕だけの動作になっていないか注意しながら、しっかりと腰をひねって動作するようにして下さい。

上半身の傾きが大きいほど負荷が高まりますので、体力がついて来たり、慣れてきたら傾きを大きくしていくようにしましょう。

また、特に初心者で起こり得ることですが、傾きが浅くてもきつくて反復できない場合があります。
その場合は、ダンベルなどのおもりを持たずに手を床に付ける形で行うようにします。

それが楽にできるようになってきたら、その傾きでおもりを持って行います。
さらに楽にできるようになってきたら、傾きを大きくして何も持たずに行います。

このように段階を経て負荷を高めていくことで、無理なく脇腹の強化やウエストの引き締めなど目標の達成に近づいていくことができます。

肉体改造に焦りは禁物です。

できることから始めて、体力に合わせて強度を高めていくことを意識してみましょう。
無理な強度で行ったがために三日坊主で終わっては元も子もありません。

肉体改造を成功させるために秘訣は、「継続」です。
続けていく中で、「いつの間にか体が変化していた」くらいの気持ちで行ってみて下さい。

変化が現れないからと言ってあきらめることなく、続けることが大切です。
間違った筋トレ方法や食生活などで変化がでないようだったら、修正しながら続けていくことです。
失敗も経験・知識となり、将来に渡ってその経験や知識があなたを助けてくれることになるでしょう。

体だけでなく、””の持ち方にも意識を傾け、トレーニングに励んでください。

ポイント

  • 上体が下がらないように動作中は体勢を維持する
  • ひねりを加える時は、反動を使わずゆっくり動作する
  • ひねりを解き戻る時も、腹筋への負荷を感じながらゆっくり戻る
  • 足が動かないようにしっかり固定する
  • 常に腹筋全体を使っていること、負荷がかかっていることを意識する

目標回数

15~20回(左右で1回)×2~3セット

体幹トレーニングも同時行っている?

トランクツイストをやってみると分かりますが、比較的強度が高く反復中に急に力が抜けていくような感覚、もしくは実際に力が抜けて反復できない状態になってしまいます。

なぜそのようになってしまうかと言うと、トランクツイストでは上体に傾きを付け、その傾きを保持したまま、ひねり動作を加えると言う二重の刺激が腹部にかかっているためです。

つまり、保持動作の体幹トレーニングとひねり動作の腹斜筋トレーニングの2つのトレーニングを同時に行っているわけです。

保持だけでもきついのに、それに加えてひねり動作を行うことで、刺激と疲労が倍加することになるのです。

動作中は腹部の緊張状態が緩むことなく続き、所定の回数前に疲労のピークに達してしまうと、突然にして腹部の緊張が解け床に向かって背中が落ちていくことになります。

トレーニングを続けていけば、腹筋強化の成果として所定の回数をクリアできることになりますが、トランクツイストを取り入れた当初や筋トレ初心者であれば、強度が高かったり、筋繊維の動員力が少ないがために途中で潰れてしまうことが往々にしてあります。

一度行ってみて潰れてしまうようだったら、上記でも説明しましたがダンベルなどおもりを持たずに行ったり、傾きを小さくするなどして強度を下げた状態から始めて、体力アップに比例して徐々に強度を上げていくようにします。

このように比較的きつい種目ではありますが、裏を返せばトレーニング効果が高い種目であります。

また、通常は腹斜筋を一般的な腹筋トレーニング、腹横筋を体幹トレーニングとして別々に鍛えるところを同時に鍛えられるため、時間に限りがある人にとっては、短時間で多くの筋群を効率的に強化できるメリットがあります。

トランクツイストに限らず一つの一つの種目には、効果に違いがあることはもとより、それぞれに役割があります。

どこを鍛えられるかと言うことだけでなく、強度や動作形態にも目を向けることで、トレーニングの質が高められ、効果を最大化することに繋がっていきます。

筋トレメニューの幅に広がりを持たせ、初心者から中級者、上級者へとレベルアップしていきましょう。