筋トレや種目の前にウォームアップすることは、体をトレーニングに適応させるための準備であり、怪我の予防だけでなく、筋トレ効果を高める上でとても大切なルーティンです。ここではウォームアップを中心にクールダウンも含めて解説していきたいと思います。


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もくじ

筋トレはスポーツである

いきなり筋トレを開始するのはおすすめできません。

ウォームアップの重要性は認識されて久しいですが、とりわけ筋トレにおいてはなかなか浸透しないのが現状です。

テレビや現場などを見ると分かると思いますが、いろいろなスポーツでは、当たり前のようにウォームアップが行われています。

それは、急激な身体活動が、いろいろな面でマイナス影響を及ぼすことが理解されているからに他なりません。

そこでまずは、筋トレも目標に向かって身体を活動させる”スポーツ”であることを認識する必要があります。

引き締まった体、細マッチョ、体力の維持・向上、ダイエット、精神の鍛練、ストレス解消等々、多くの方が大なり小なり目標をもって筋トレに取り組んでいるはずです。

その目標に向かうためにトレーニングメニューを構築し、スケジュールを立てて、様々な種目やテクニックを実行していきます。

種目の実行では、正確なフォーム、種目配列、強度設定、目標レップ、セット数、動作スピード、種目間やセット間の休憩時間等々、決めることが多岐に渡ります。

このことから筋トレは、単なる身体活動ではなく、野球やサッカー、バスケ、テニス、スプリント、マラソンなどあらゆるスポーツを同じであることが分かると思います。

フォームを例にすると、野球のピッチャーが自分に適した正しいフォームで投げることが求められるのと同じように、筋トレでも正しいフォームで種目を実践することが求められます。

そのためには、正常な関節可動域や筋肉のスムーズな連動を確保する必要があります。

それが確保されることで、怪我のリスク低減はもとより、円滑な動作による実力発揮、パフォーマンスアップとなって実を結ぶことになるのです。

さて、筋トレのウォームアップについて具体的に見ていきましょう。

筋トレ前のウォームアップ 目的と効果

なぜ、ウォームアップしなければいけないのでしょうか?

簡単に言えば、運動を始めるにあたっての準備を整えるためです。
運動と言っても激しく動く必要はなく、軽く汗ばむくらいの強度で行うのがよいとされています。

この準備により、怪我の予防、可動域の拡大、スムーズな動作、筋力やスピード向上、体の状態確認、精神的な調整が可能となります。

大きく分けると、「怪我の予防」と「筋トレ効果のアップ」。
この2つに集約され、これらを実現するためにウォームアップは大切な準備となります。

運動に適した状態に持っていくためには、血流を促し、筋温や体全体の体温を上げる必要があります。

筋温を上げる

これがウォームアップのもっとも基礎をなす目的です。

冷えた筋肉は、温められた筋肉よりも障害や損傷を受けやすいとされています。
そのため、筋肉や体を温めることを意識してウォームアップするようにしなければなりません。

筋温を上げることで、筋肉をはじめ腱や靭帯の”粘性”が低くなります。

ここで言う粘性とは、筋肉の粘りのことで、粘りが強いと筋肉の伸張や収縮が遅く、同時に伸び縮みが制限された状態になります。
特に粘性が高いと筋肉が伸びた(伸張)際に、筋肉の傷害を招きやすくなります。

逆に粘性が低くなると、筋肉の伸び縮みがよりスムーズになり、神経系や反応の向上、関節の滑らかさ向上、可動域の拡大となって現れます。

粘性が強いのは”固い粘土”で、低いのは”柔らかい粘土”とイメージすると分かりやすいかも知れません。
固い粘土は壊れやすく、柔らかい粘土は壊れにくいことから想像すると、筋肉の粘性を意識することが大切であることが分かると思います。

ウォームアップにより筋温を高め、粘性を低くすることで、柔軟性や可動域が高まり、急激かつ過度な伸張や収縮が生じた際にも”余裕”ができることになります。

その結果、怪我を防止し、円滑な動作も可能となります。

また、温められた筋肉は、粘性の低下と相まって、より強く収縮し、より早く弛緩するとされています。

それにより、本来持っている筋力とスピードが引き出され、筋トレ効果を十分なものにすることができます。

筋温を高めるには、血流の促進が欠かせません。
血流の促進は、筋肉に栄養と酸素を供給し、筋の負担を軽減させるとされています。
この点でも、力強い動作を継続する上で、より高いパフォーマンスを引き出すことにつながります。

ウォームアップの方法

ウォームアップの方法には、筋温を高めることに焦点を当てると、ウォーキング、ジョギング、縄跳び、ダイナミックストレッチなど、大筋群を使う運動が挙げられます。

ジムに通っている場合は、トレッドミル(ランニングマシン)で軽く汗ばむ程度にジョギングを行うのが一般的です。

時速8キロ位で、夏は5~7分、冬は10~15分程度走れば、軽く汗ばんでくると思います。

バイク(自転車のように漕ぐマシン)やクロストレーナー(足踏みするマシン)でもいいのですが、ウォームアップとしては体が温まるのに少々時間がかかるのが難点です。
時間を気にしないなら選択肢として候補となります。時間は軽く汗ばむ程度を目安に継続するようにしましょう。

自宅で行う場合は、可能であれば縄跳びがおすすめです。全身を使うため比較的短時間で体を温めることができます。
スペースや環境的に難しければ、その場で片脚ずつ軽くジャンプするようにしてステップを踏むとよいでしょう。
ステップの場合だと、10~15分程度行うと温まってくると思います。

ダイナミックストレッチは、筋トレでは必須ではありませんが、可能であれば取り入れるようにします。その場合は、トレーニングする部位を中心にストレッチします。

例えば、下半身のトレーニング日であれば、ランジウォークに似た動作をするダイナミックストレッチなどを行います。

また、可動域の拡大や体の状態確認としては、スタティックストレッチが挙げられます。

ただし、スタティックストレッチのみではウォームアップになり得ません。

スタティックストレッチは筋温を十分に上げることができませんので、あくまで可動域の拡大や筋肉の張りや痛みなどコンディション確認のために用いるようにします。

そのため、スタティックストレッチのみではウォームアップとは言えませんので、必ず上記で解説した汗ばむ程度の運動と合わせて行うようにしましょう。

なお、筋トレ前にもストレッチは必要?で解説したように、筋力パフォーマンスが低下すると言われているのは、30秒以上行うような入念なストレッチです。

筋トレ前は、トレーニングする部位を中心に20秒程度伸ばし、可動域の拡大と同時に痛みが違和感のある箇所はないかチェックするようにしましょう。

体を静かに見つめ、3~5分実施するとよいでしょう。

筋トレ中のウォームアップの目的と効果

筋トレ本番に入ったからといって、ウォームアップは終わりではありません。

実施する種目の前、つまりメインセットの前にフォームのデモンストレーションと同時に使用部位の血流を促し、筋温をもう一度高めます。

そうすることで、生理学的な面での怪我の予防と正確なフォームによる技術的な面での怪我の予防をWで図ることができます。

また、”可動域”、”筋出力”、”フォームの正確性”が向上することで、生理学的、技術的両面を通じて、筋トレ効果のアップが可能となります。

このように実際の動作をそのまま、または近い動作でウォームアップすることを専門的ウォームアップと言います。

専門的ウォームアップは、ウォームアップとしてもっとも望ましものとされています。
筋トレにおいては実際の動きをそのまま実施することから、リハーサルの役割も担っており、心身両面において非常に有効なウォームアップであると考えられます。

このウォームアップは、実質的にはダイナミックストレッチになります。
そのため、筋トレ前のダイナミックストレッチは可能であれば実施する程度に考え、動かし足りない場合など、気になれば実施するようにしましょう。

筋トレ中のウォームアップ方法

メインセット前のウォームアップを”ウォームアップセット”と言い、軽い負荷で10~15回×1~3セット程度実施します。

ウォームアップセットの負荷に決まりはありませんが、メインセットの60%程度の重量で行う等、割合で調節するのも分かりやすいでしょう。

あまり軽すぎると、動作の感覚がつかみにくい場合があるので、ある程度の重量は必要となります。
メインセットの50%以下だと、軽すぎるかなと思います。経験上、60~70%くらいがいいような気がします。

ウォームアップセットは、メインセットでの怪我を予防し、トレーニング効果を高めるものなので、決して雑にならないようにして下さい。
正しいフォームで軌道をコントロールしながらを実施するようにしましょう。
メインセットと同じくらい集中して行うくらいの気持ちが大切です。

ウォームアップセットは、筋肉を温めることだけでなく、動作のデモンストレーションも兼ねていることを意識しておく必要があります。

ウォームアップの順番

ウォームアップは、筋温を上げることがメインになります。

筋温の上昇により、いろいろな効果が得られのですが、ウォームアップの順番もまた効果を引き出すために大切な要素となります。

まずは、ウォームアップのメインであるジョギングなどの軽めの運動を行います。
筋温を高め、怪我の予防と筋トレ効果を得る上で必須の準備になります。

体が温まったらスタティックストレッチを行います。
スタティックストレッチは、静的ストレッチであり、筋肉を一定の時間伸ばします。
その際、筋肉が温まってないと十分な伸びを感じることができません。
そのため、体が温まった後に実施するようにします。

ダイナミックストレッチは筋トレ直前に行います。
筋トレする部位、関節を中心にしたストレッチを行います。
ただし、筋トレ中のウォームアップセットがダイナミックストレッチを兼ねているため、可能であれば実施する程度に考えて構いません。

筋トレ中は、上記で説明したように各種目の前に必ずうウォームアップセットを行い、メインセットの準備をと問えるようにします。

これらをフローで示すと以下の通りとなります。

  • ジョギングなど軽めの運動(5~15分)超重要
  • スタティックストレッチ・・・筋トレする部位を各20秒程度(3~5分)
  • ダイナミックストレッチ(できれば実施)
  • (筋トレ開始)
  • 筋トレ中・・・各種目の前にウォームアップセットを1~3セット実施(軽めの重量で)

ウォームアップを疎かにすると、怪我を誘発するだけでなく、筋トレ効果にも影響してきます。
日々のルーティンとして、きちんと実施するようにしましょう。

筋トレ後のクールダウン

ウォームアップと同様に大切なのが筋トレ後のクールダウンです。

ウォームアップは、体を温めて怪我を予防をはじめ、関節可動域の拡大、筋力やスピード向上、神経系や反応の向上による筋トレ効果アップ、体の状態確認、種目実施のリハーサルなど筋トレを始めるにあたっての準備の役割がありました。

一方、クールダウンは血流を促し、筋肉の短縮や硬縮を防ぐと同時に疲労の回復を図ります。

筋トレ後は、筋肉に疲労して硬くごわばった状態になっており、そのままにしておくと乳酸の蓄積などにより、周辺組織が固くなってしまいます。
そのため、クールダウンでは血流を促して硬くなった筋肉を弛緩させ、元の状態(静止長)に戻すとともに、乳酸などの疲労物質を流してあげる必要があるのです。

また、研究結果は現在のところ明確ではありませんが、筋肉痛を軽減する効果もあるとされています。

筋トレ後はスタティックストレッチ

クールダウンで用いられる方法は、”スタティックストレッチ”です。
筋トレに限って言えば、スタティックストレッチにとって、もっとも日が当たる時間かも知れません。

筋トレ前は軽めに実施しましたが、クールダウンでは入念に実施します。

筋肉を使った部位を中心に一部位につき、30秒×1~3セットずつ行うようにしてみましょう。

ストレッチの最中は、副交感神経が優位になってくるため、心身ともにリラックス状態へと導かれます。
最後の締めとして、しっかり実施するようにしてみましょう。

疎かにされがちなウォームアップとクールダウンですが、「ウォームアップ×筋トレ×クールダウン」、これら3点をすべてまとめて”筋トレ”であると言っても過言ではありません。

怪我なく、最高の効果を引き出せるよう、最善の方法でトレーニングしていきましょう。

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