女性においては運動と言えば有酸素運動主体で筋トレを敬遠する傾向にありました。しかし、近年は筋トレ効果の理解が進んだこともあり女性にも筋トレが浸透してきています。ジムでトレーニングに励む姿を多く目にするようになりました。ではなぜ、女性がこれまで筋トレを敬遠してきたのか、そして女性が筋トレをすることでどのような効果があるのかみてきたいと思います。


筋トレ理論一覧

女性が筋トレを敬遠する理由

女性が「筋トレは嫌!」と敬遠する理由の筆頭にくるのが、ムキムキになるのが嫌だからと言った点が挙げられます。

これは、筋トレは男性が肉体改造してムキムキになるために行うものといった先入観が影響していて、そのため女性も筋トレをすると同じようにムキムキになってしまうのではと過度に心配してしまうことが筋トレを避ける要因の一つになっています。

確かに女性の多くはムキムキにはなりたくないと思います。

でも、女性がムキムキになるためには男性以上に努力しなければなることはありません。もっと言うなら男性以上に筋トレしても男性と同じ体つきになることはありません。

これは筋肉の成長にはテストステロンなどの男性ホルモンの影響を強く受けるためで、男性ホルモンが少ない女性においては、もともと筋肉が大きくなりにくい生理的な違いがあるからです。

アスリートの体を見ると分かると思いますが、日々“きつい”練習やトレーニングを続けているにもかかわらず、女性アスリートで男性のようにごつい体になっている人を見かけることはあまりないと思います。

もちろん、ウエイトリフティングのように競技特性に応じてガッチリした体型になることはありますが、多くの競技や男性と同じ競技で比べてみると細身の体であることが見て取れるのではないでしょうか。むしろ、ムキムキであるとか、ゴツゴツしているというより、均整の取れたスタイルが実現できていると言えるでしょう。

ジムでよく見かけるのが、涼しい顔をして筋トレをやっている人です。これは筋肉を付けたり、引き締めるには軽すぎる重さでやっているためで、それでいて余力があるにもかかわらず、10回などの所定の回数で反復を終えていることが要因であると思われます。
筋トレ効果を得るためには、回数ではなく、いかに追い込めるかが重要になってきます。10回反復するのであれば、10回目が限界でなければいけません。どのような負荷でも10回反復すればそれでいいというのではありません。

お話ししてきたように、ほとんどの女性は頑張ってもムキムキになることはありません。むしろ程よく筋肉が鍛えられることで、体が引き締まり、見違えるスタイルを作ることができます。ぜひ、追い込む筋トレをして目標とする体を手に入れて下さい。

筋トレを敬遠するもう一つの理由は、「きついから嫌だ」といった心理的制約によるものです。

筋トレはきつくない、楽に筋肉付けられると言いたいところですが、
筋トレはきついです。こればかりはいかんともし難いです。きついからこそ筋トレなのであって、逆にきつくないと筋肉は成長しません。

なぜなら、筋肉を付ける(増やす)には、日ごろ受ける刺激よりも強い刺激を受けなければ、成長を促すための生理的反応を起こさないからです。これは筋トレを継続していても同じで、トレーニングの負荷になれて、それが日ごろの負荷になったら成長はストップしてしまいます。この点については過負荷の原理や漸進性の原理が言わんとしているところです。

トレーニングは、今よりも上を目指す取り組みです。それには肉体的、あるいは精神的に負荷が伴うものです。その負荷によって筋トレであれば筋肉が成長したり、勉強であれば理解や記憶が定着することになります。

トレーニングに「楽」と言った概念はないということを覚えてもらえればと思います。

きついことが理由で筋トレを敬遠しているのであれば、きつさを受け入れることから始めなければなりません。

きついからこそ、変われる。人と違うことをやっているから変われる。

考え方の転換からは始め、きつさに対応できる精神力を身に付けることが大切になってきます。

筋トレは誰にでもできます。心のハードルを取り外すだけです。やれば必ず成果が出るのが筋トレです。
筋トレを通じてスタイルをよくしたい、ダイエットしたいなど、目標を持っているのであれば、精神的な壁を崩して、筋トレの世界に飛び込んでみて下さい。きっと半年後、1年後、5年後、10年後と、のちのちに振り返ってみると、やってて良かったと思えることでしょう。

髪の毛は念じようが、引っ張ろうが自分の力で伸ばすことはできませんが、自分の力でどうにかできるのが筋肉です。筋トレを始めて、筋肉の威力を体験して下さい。

女性と筋トレ、嬉しい効果

女性にとって筋トレはどのような効果があるのか?女性が求める効果、嬉しい効果を中心にお話ししたいと思います。

スタイルがよくなる

筋トレの効果で分かりやすいのは、スタイルが良くなることです。

筋肉が付いたり、引き締まることで、たるんでいたボディラインが整い、美しい体を作り出すことができます。

体のラインを作っているのは筋肉なので、筋肉を付けたり、引き締めることで本来あるべきスタイルを維持できたり、改善することができるわけですね。

これは全身どの部分にも言えることで、上腕三頭筋を鍛えれば二の腕のたるみを予防・改善できますし、大腿四頭筋やハムストリングスを鍛えれば張りのあるスラッとした太ももに、腹筋を鍛えればぽっこりお腹の解消やウエストを細くすることができます。

基礎代謝がアップして太りにくい体に

1日のエネルギーのうち筋肉で消費される量は約25%、さらに何もしなくても自然に消費される基礎代謝の中では約40%も占めています。

つまり筋肉を鍛えて基礎代謝を増やすことで、普段の生活の中におけるエネルギー消費量の拡大に少なからず貢献することを示しています。

基礎代謝が増えた結果、食事からのカロリー摂取量が日ごろと同じである場合は、エネルギー消費量がアップした分、摂取カロリーと消費カロリーの差が縮まり、脂肪を蓄積しにくくなります。

その差が均衡した時、理論上体重は維持され、消費エネルギーが上回った時は体重が減少に向かいます。

日ごろのカロリーが摂取過多であるならば、食事を見直すことで基礎代謝のアップと相まってエネルギーの収支を劇的に改善することも繋がります。

このように筋肉にアプローチして基礎代謝を増やすことで、直接的にエネルギー消費量を増やすことができます。換言すれば、脂肪蓄積の原因のひとつであるエネルギー消費量の低さ(筋肉が少なかったり、運動不足など)を筋肉をもって改善することができるのです。
その結果、摂取カロリーが同じだとした場合、消費カロリーが増えた分、太りにくくなるわけです。もちろん、基礎代謝が増えた分、消費カロリーも増えてしまっては意味がありませんので、食事には気を配る必要があるでしょう。

誤解を恐れずに言うと、筋肉が増えたからと言って無尽蔵に基礎代謝が増えるわけではありません。1日あたりの消費量増加は大きいものではないということです。1kg筋肉が増えると1日あたり50kcal程度消費すると言われています。

しかし、長い目で見ればアップした分の日々の積み重ねにより、筋肉が増えていない場合、あるいは減った場合と比べて大きな差となって現れてきます。

1kg筋肉が増えた場合、1ヶ月で1,500kcal、1年で18,000 kcalの消費となります。脂肪は7kcalで1g燃焼するので、1年で約2,571g、つまり筋肉を付けなかった時に比べて2.5~2.6kgの脂肪を何もしていなくても消費してくれるわけです。
食事の増減や糖質の消費などを考慮に入れない理論上、かつ乱暴な計算ではありますが、半分の1.25kgと見積ってもバカにできない消費量です。

効果の反映が緩やかなので実感しにくいですが、確実にプラスに働くことを理解いただいたと思います。今の体を維持したい、ダイエットしたい、スタイルをよくしたいと言った人は、ぜひ筋トレを通じて基礎代謝を上げ、太りにくい体づくりを進めてもらえればと願っています。

>> こちらのサイトで自分の基礎代謝の目安を計算することができます。

成長ホルモンの分泌が活性化し、美容にも効果的

筋トレにより成長ホルモンや性ホルモンなど、いわゆる内分泌系が活性化すると言われています。特に成長ホルモンの分泌は筋トレ時に大きく増加することが分かっています。

では、成長ホルモンが活性化させると、身体にどのような影響があるのか?

体に外から成長ホルモンを3ヶ月くらい注射すると(充填療法)、外見上10歳ほど若返ることがあります。髪の毛も生えてくるし、白髪やシワがなくなってくる。ホルモンにはそういったアンチエイジングの効果もあるので、できることなら内分泌系の低下を防いだ方がいい。
筋肉まるわかり大辞典「195章筋トレは美容に効果的?」より一部引用

内分泌系の低下を防ぎ、それによる効果を他力によらず、自分の力で可能とするのが筋トレです。最も健康的なアンチエイジング習慣であると言えます。

ではなぜ、ホルモンの低下を防ぐために筋トレをしなければいけないのか?

なぜなら、ホルモンは加齢とともに分泌量が少なくなってくるという現実があるからです。筋トレを習慣にすることで成長ホルモンの活性化反応が続き、分泌量の低減を食い止め、あるいは増えることでエイジングを緩やかにする(アンチエイジング)ことができるのです。

つまり、何もしなければ、ホルモンはある時を境に徐々に減っていく。それを食い止め、増やす最も健康的な方法が筋トレなのです。
ホルモンの活性化により、皮膚の代謝がよくなり張りが保たれる、それによってシワを防いだり、シワが気にならなくなったりします。スタイルを良くしたり、ダイエット目的で筋トレを始めたら、体つきだけでなく肌の調子も良くなってきたと言ったことが起こるわけですね。

筋トレに二の足を踏んでいる人は、美容効果にも目を向けることで筋トレを始める原動力し、筋トレ中の人はモティベーションの維持・向上に役立つことと思います。

「実年齢よりも若々しくいたい」と思っている人は、筋トレ習慣がきっと願いを叶えてくれることでしょう。

その他の効果

筋肉を付けることで代謝が上がり、血液の循環がよくなることで冷え性やむくみの改善に繋がります。

全身の筋肉でその効果の影響を受けるのですが、特に下半身、その中でも第二の心臓と言われるふくらはぎの筋肉が重要になります。ふくらはぎが衰えてくると血液を送るポンプ作用が低下していまいます。その結果、血流が滞り、冷えやむくみの原因になることがあるわけです。

そこで、1つだけ挙げるならばカーフレイズなどのふくらはぎの筋トレを行うことが有効になります。もちろん、全身をまんべんなく鍛えることは、ふくらはぎだけを鍛える以上の効果が得られることは言うまでもありません。

筋トレは、肩こり、腰痛の改善にも有効です。筋トレで筋肉が付くと、筋肉の張力をもって本来あるべき姿勢が矯正される力が働きます。その結果、姿勢の悪さからくる肩こりを改善することに繋がりますし、腰痛についても骨盤が正しい位置に矯正されることで、負担が低減し、腰痛の緩和・改善に繋がることになります。

終わりに

これまでお話ししてきたように、女性も筋トレによるメリットはあってもデメリット(やり過ぎは禁物)はありません。

そして、筋トレは誰でもやることができます。そして、やるか、やらないかで大きな差が生まれてくるのも筋トレです。

何かを変えたいと思っているのであれば、まずはやってみ下さい。きっと振り返った時にやってて良かったと思えるはずです。

筋トレ習慣のスタートに1日1分から始められるプランクなんかはいかがでしょうか。

こちらの記事もどうぞ