ジムに行くことができない人でも自宅にあるもので効果的に筋トレを行うことが可能です。その中で手軽に活用できるのが“椅子”です。高さがある分、体勢を変えることで負荷を高くすることも低くすることもできます。椅子を使ってどのようなことができるのか、下腹をへこます方法など体幹トレーニングのメニューを紹介します。



椅子を使った筋トレの注意点

椅子は安定しているものであればどのようなものでも結構です。ただし、椅子の座面が固くないと手首を痛めてしまう可能性がありますので、ソファーのようなへこみやすいものの場合は注意が必要です。

その場合は、上に厚みのある雑誌などを置いて手首が過度に背屈、圧迫されないように注意する必要があります。できるだけ通常の椅子で安定感の高いものを使って下さい。

もし、椅子を使ったりする場合に下にキャスターが付いていてコロコロ動くものだとか、あるいはフローリングの上に置いて滑って行ってしまうようなもの場合には転倒したりと自分が転んでしまう可能性がありますので、その場合には壁に椅子をくっつけるなどの工夫が必要です。

そのような安全面を確保した状態で椅子の高さを使ってできるトレーニングを紹介したいと思います。

椅子を使って体幹強化&下腹をへこます

椅子の座面に手を置いて、手首の真上に肩がきます。そこから、できるだけ脚を遠くに伸ばし、つま先だけがついた状態を作ります。

そこから前に残った脚を椅子の座面の裏に足の甲を付ける感じで引き上げていきます。

体が非常に柔軟な方の場合は、座面の上に持ち上げるところまでいっても構いませんが、初心者の方や柔軟性の足りない方の場合は一つ目の目標として足の甲を椅子の座面の裏にくっつけることから始めてみましょう。

このよう動作をすることで非常に強く体幹を強化することができます。

特に腹直筋に強い収縮力を与えることができますし、片脚を浮かすことによって体が下に落ちようとしますから、そこを落ちないように支えるために軸脚となっている太ももの筋肉・大腿四頭筋も強く強化することができます。

基本は、座面の下に甲をくっつけたらそのままの姿勢をキープします。しかしながら、キープする中で疲れが生じて足が下がってきますので、そのときは再度力を込めて脚を引き上げるようにします。これを繰り返し行います。

もし、体幹が非常に強く脚を引き上げたまま止めることができるのであれば、この動かさないトレーニングが最も強い刺激を与えることができます

これは特にお腹を割りたいような方の場合も非常に有効なトレーニングになります。ぜひ左側、右側を同じ時間、左右のバランスを取りながら、ギリギリまで追い込んであげることで非常に有効な筋トレになってきますので丁寧にやってみて下さい。

このトレーニングを行うことによって腸腰筋群も非常に強化されますので、下腹部が出ている方の場合は下っ腹をへこませるのに非常に効果的ですので、下腹が気になる方は優先して行って下さい。

椅子を使って体幹強化&内転筋強化

次は内転筋の強化を行うと同時に体幹の軸を作って特に横腹を引き締める効果がある種目です。

椅子の上に足を置きます。足の置き方は、足首が90度になるようにします。

そして、膝が真っ直ぐに伸びる位置に手を付きます。そこから体を持ち上げ、下の脚も座面の上に置きます。この脚は稼働させていきますので完全に上に置く必要はありません。

この姿勢から膝を胸に近づけるようにして引き上げていきます。引き上げた時に下に落ちないように注意します。内転筋をしっかり締めた状態で高く引き上げていくようにします。

腰位置がどうしても体の重みで下に下がりやすくなりますので、そこが下がらないようにできるだけ腰位置を高くすることに意識を置いていただければ非常にトレーニング強度が上がってきます。

スポーツへの応用

スポーツに応用する場合には、上半身のツイストの動きを加えてあげるとさらに運動の強度が増していきますし、いろいろなスポーツ動作に応用がきくようになります。

その場合には、片方の手は頭の後ろに置いた状態でツイストさせていきます。

スタートのポジションは、先ほど説明した方法と同じです。この姿勢から肘と膝をくっつけるように動作させます。

先ほど同様、この体幹トレーニングも腰が下に下がってしまわないように注意するところがポイントになってきます。

負荷が高い場合の対処法

やっていく上でトレーニングの強度的になかなか困難だなと思う最大のポイントは、内転筋が多くの方は弱いということです。内転筋が強く収縮しないと膝が折れてしまう(負荷に耐えられず曲げてしまう)可能性があります。こうなると膝を痛めてしまうことになります。

せっかく体幹を強化しようと強い意志で望んだ場合でも怪我をすることによってトレーニングを離れなければいけない危険性が出てきます。

実際に足を置いてみて体重を支えようとした時にちょっと不安だな、怖いと感じた場合は、無理をせずに足を置く位置を変えれば不安を取り除くことができます。

重心の位置ができるだけ椅子に近いところに寄っていけば長さが短くなった分、かかる力が弱くなります。

例えば、膝を座面に乗せて膝を曲げます。この状態で座面を挟んで上げるようなトレーニングから始めると比較的楽にできるようになります。

それができるようになってきたら、今度は小さな範囲で脚を稼働させます。

こういうようなところを出来るところから少しずつボリュームアップしていくということでトレーニングの強度を上げていくと必ず脚を伸ばした状態でもできるようになります。

ぜひ、少しずつ考えながら自分の体力の許す範囲で、出来ることの幅を広げていくというところでトレーニングの実践をされて下さい。

いずれにしても体幹トレーニングの基本は、俗にいうプランク「アームスタンディング」のポジションで行う腕立て伏せの準備姿勢で行う筋トレが一番のカギになります。

ぜひ、この形をしっかりと作るところから始めて徐々にバリエーションを増やして前でも横でも、あるいは後ろでも体重を支えられるようにする。

そのことによってあなたの体は非常に強く、かっこよく引き締まっていくことは間違いありませんので、毎日コツコツと続けていただければと思います。

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筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長