動画ではコンパウンドセット法についての基礎を学びます。下記テキストにて補足としてコンパウンドセット法のメリットや効果、やり方、種目の組み合わせ例(メニュー例)など、詳しく記載していますので、動画と合わせてご覧ください。


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概要と補足

コンパウンドセット法は、同じ筋群を刺激する”2種類のエクササイズ”(2種目)をわずかに休憩を入れるか、あるいは全く休憩を入れずに連続してトレーニングする方法です。
(コンパウンドセット法とスーパーセット法を合わせてスーパーセット法と呼ぶこともありますが、ここでは区別します)

”わずかに休憩を入れる”というのは、ダンベルの持ち替えやプレートの付け替えなどにかかる時間ということで、実質的な休憩はとりません。

コンパウンドセット法は、同じ筋群を連続で刺激するため、強いパンプ感が得られることで、筋肥大を目的とするボディビルダーがよく用いる方法として知られています。

休憩なし無しで同じ筋群への刺激を継続させるため、筋肉への疲労、そして体力を大きく消耗します。
それゆえ、オールアウトでき、筋肉のパンプをよく感じることができます。

また、エネルギー消費量も増大し、大きくはありませんが脂肪燃焼効果も得ることができます。

動作の継続が通常の方法より長くなるため、心肺機能への負荷が高まります。
そのため、心肺機能の向上にも有効とされています。

2種目を連続して行う部分は、スーパーセット法と似ていますが、コンパウンドセット法は”同じ筋群を鍛える2種類の種目”を組み合わせることに違いがあります。

例えば、大胸筋にコンパウンドセット法を用いる場合、ダンベルベンチプレスとダンベルフライなどを組み合わせます。
2種目で1セットとして、セット間には通常通り休憩を入れます。
これを3~5セット実施します。

トライセット法とジャイアントセット法

なお、同じ筋群を刺激する種目を3種目連続行うテクニックを「トライセット法」と言います。

3種目は同じ筋群を刺激する別々の種目で構成します。(同じ種目でも可動域を変えて変化をつけた種目で組み合わせる場合もあります)

例えば、上腕二頭筋をトライセットで組んだ場合は、
ダンベルカール+インクライン・ダンベルカール+ハンマーカール
などが例として挙げられます。
これを休憩せずに連続して行って1セットとし、数セット行います。

さらに、同じ筋群を刺激する種目を4種目以上連続行うものを「ジャイアントセット法」と言います。
これも同様に4種目は同じ筋群を刺激する別々の種目で構成します。

例えば、腹筋をジャイアントセットで組んだ場合は、
クランチ+サイドベンド+レッグレイズ+ツイストクランチ
などが例として挙げられます。
これを休憩せずに連続して行って1セットとし、数セット行います。

トライセット法やジャイアントセット法は、非常に刺激的なトレーニング方法なので、簡単に取り入れることはできないかも知れません。
肉体的な限界だけでなく、ジムにある器具の充実度やスペースの広さなど、ジムの環境にも左右されます。
ダンベルやバーベル、ラックあるいはマシンの切り替えなどがめまぐるしく、使う道具やマシン、スペースなどを確保しておく必要があるのです。

その点、コンパウンドセット法は2種目なので、基本的にはどのジムでも問題なく取り入れることができるでしょう。

まずは、コンパウンドセット法で経験を積んだのち、ジムの環境などとも相談しながら、トライセット法やジャイアントセット法を取り入れることを検討するとよいかと思います。

コンパウンドセット法の効果

上記でもいくつか挙げましたが、コンパウンドセット法には以下のような効果があると言われています。

◆筋肥大を促進するとされています。
パンプ感が得られ、筋肉への血流も促進することから、ボディビルダーが筋肥大を目的に好んで取り入れています。

◆筋持久力の向上に効果があるとされています。
同じ部位を連続して刺激することにより、筋持久力の向上も期待できます。

◆エネルギー消費量が増大。
大きくはありませんが、それに伴い脂肪燃焼効果が期待できます。

◆心肺機能の向上に有効であるとされています。
動作を継続して行うため、心肺能力を要します。
あまり大きくはありませんが、それに伴って心肺機能が向上します。

◆プラトー(成長の停滞)の脱出に有効。
トレーニングの負荷や内容を変えることで、筋肉へ新たな刺激が加わり、プラトーの脱出に繋がります。

逆にプラトーに陥らないために、あらかじめピリオダイゼーション(期分け)を考慮したトレーニングプログラムを作成し、バリエーションのひとつにコンパウンドセット法を取り入れたトレーニングを組み込んでおくのもよいでしょう。

コンパウンドセット法のやり方

まず、コンパウンドセットを組む2種類の種目を選定します。

例えば、上腕二頭筋をコンパウンドセットで行うとした場合、上腕二頭筋を鍛える2種類の種目を選びます。

組み合わせは様々ですが、一例を上げると、「ダンベルカールとハンマーカール」などを組み合わせ、この2つの種目を休憩なしで、連続して行います。

まずはダンベルカールで目標回数行ったら、すぐさまダンベルを軽い重量のものに持ち替えるか、そのまま同じ重量でハンマーカールを行います。

2種目を1セットとして、これを3~5セット行います。
1セット終わったら休憩し、2セット目へと移ります。

スーパーセット法のメニュー例

組み合わせは様々ですので、トレーニング経験の中で自分に合う種目を組み合わせて下さい。

以下は筋肥大を目的としたメニュー例です。

「上腕二頭筋」の場合

・インクライン・ダンベルカール・10回+ダンベルカール・10回
これを3~5セット

・バーベルカール・10回+ハンマーカール・10回
これを3~5セット

「上腕三頭筋」の場合

キックバック・10回+フレンチプレス・10回
これを3~5セット

「大胸筋」の場合

ベンチプレス・8~10回+ダンベルフライ・8~10回
これを3~5セット

「腹筋」の場合

レッグレイズ・10~12回+クランチ・限界まで
これを3~5セット

「三角筋」の場合

ショルダープレス・8~10回+サイドレイズ・10~12回
これを3~5セット

初心者の方は基本の習得から

スーパーセットと同じになりますが、初心者の方は、フォームが整わないまま行うと効果を損ねたり、怪我に繋がることがありますので、ここでは知識として頭にとどめておくようにしましょう。

まずは、実際の筋トレにおいて種目のフォームや強度の設定など、基本を習得することに専念しましょう。

一定のトレーニング経験を積んだのち、目的に応じてコンパウンドセット法でのトレーニングにチャレンジしてみて下さい。