筋トレをすることで、ほとんどの人が経験する筋肉痛。もっとも分かりやすい体の反応であり、筋トレを始めて間もない場合は、強烈な痛みに襲われ、回復に時間がかかることもあります。今回は筋肉痛の種類や筋肥大との関係などを学んで行きましょう。


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概要と補足

筋肉痛には、「遅発性筋痛」と「即発性筋痛」があります。

読んで字のごとく、筋トレ後に遅れて(あとから)発生する筋肉痛が「遅発性筋痛」、筋トレ後すぐに発生する筋肉痛が「即発性筋痛」です。

ここでは筋肥大の要因のひとつである遅発性筋痛を軸に解説していきたいと思います。

遅発性筋痛

遅発性筋痛は、筋トレにより筋繊維に微細な傷ができて炎症を起こすことで現れる筋肉痛で、通常筋トレの翌日~2日程度で痛みが出てきます

遅発性筋痛は、いわゆる一般的に言われる”筋肉痛”で、多くの方が経験する筋肉痛です。

筋肉痛は数日で収まりますが、状況によっては10日~2週間程度続く場合もあります。
(痛みが続く期間は、個人差やトレーニングの強度などによって差が生じます)

遅発性筋痛はエキセントリック収縮で起こりやすい

遅発性筋痛は、筋肉が伸びながら収縮するエキセントリック収縮に起因して起こりやすいという特徴があります。

エキセントリック収縮が起こる動作は、下ろしたり、戻したりする動作「ネガティブ動作」です。
ネガティブレップ法でさらなる筋肥大を目指そう

このネガティブ動作は筋肉の微細な損傷が起こりやすく、この損傷が元になって筋肉痛が現れてくることになります。

例えば、ダンベルフライの場合、ダンベルを横に広げていく動作がネガティブ動作になりますが、その際に筋肉はブレーキをかけるようにして伸びながらも力を発揮しようとして筋肉に微細な傷ができるのです。

特にダンベルフライのような、筋肉を十分に伸ばして動作する種目は、可動域が広くネガティブ段階を強調できるので筋肉痛が発生しやすい種目であるといえます。

逆に上げたり、引いたりするポジティブ動作(コンセントリック収縮)のみを重視する方法では、筋肉の刺激は強くなるが、微細な損傷は生じにくい特徴があります。

例えば、ダンベルカールで肘を90度に曲げたポジションから上半分のみを使って動作するような場合は、ポジティブを強調した動作となり、筋肉痛が生じにくい動作になります。

ただし、必ずしも遅発性筋痛の発生だけが筋トレ効果の最大化や筋肥大に影響を与えるわけではありません。

遅発性筋痛と筋肥大の関係

筋トレの目的にもよりますが、筋肉への刺激がずっと一定では筋肉の成長は望めなくなるため、通常はいろいろな種目や動作を組み合わせて、継続的に筋肉の成長を促していきます。

具体的には、ピリオダイゼーションにより一定期間ごとにトレーニングの強度や内容に変化をつけたり、種目にバリエーションを持たせることになります。

そのような中、ネガティブ重視やポジティブ重視など様々なバリエーションを設けることは、継続的に成果を向上させていこうとする上でとても大切です。

筋肥大に有効なネガティブレップ法というテクニックがありますが、これだけをずっと続けても、いずれ成長は頭打ちしてきます。回復がうまくいかず、オーバートレーニングに陥る場合もあります。

筋肉痛を出すためにネガティブを重視するといった発想ではなく、筋肉を十分に刺激させるため、種目や刺激に変化を持たせるためにネガティブを重視したトレーニングを行う。

成長が停滞してきたら、筋肉痛の有無に関係なくバリエーションに変化を持たせたり、別のテクニックで刺激を変える。このように発想することが大切です。

また、ダンベルフライのようなアイソレート種目(※)では、重量が伸びなくなったのち、そのまま1ヶ月、2ヶ月と同じ重量で筋トレを続けても筋肉痛が出ることが多いです。
(※)一つの関節のみが動作に関与する単関節種目でターゲット部位を集中的に刺激できる。一方、複数の関節が関与する多関節種目(ベンチプレスなど)はコンパウンド種目(複合種目)と言い、主働筋とともに協働筋群が働き、高重量を扱うことができる。

しかし、筋肥大はほとんどしなくなります。あるいは、目に見えて肥大しなくなります。

これは刺激に変化がないためで、プラトー(成長の停滞)に陥っている状況でもあります。

このような場合は、強度高くしたり、種目の組み合わせや順番、テクニックなどを用いてバリエーションに変化をつけていくことが求められます。

逆にベンチプレスで重量は伸びているけど、筋肉痛は出にくくなることがあります。
この場合は、正しいフォームで大胸筋にしっかり刺激が入っていれば、重量の伸びに応じて筋肥大していくことになります。

筋肉痛と筋肥大の関係については、研究途上ではありますが、研究によると筋肉­痛が発生しなかった場合でも筋肥大の反応が低下した証拠はないとされています。

つまり、筋肉痛のあるなしで成果は判断できないということです。

筋肉痛は重要な筋肥大の要因ではありますが、要素ではありません。

筋肉内の代謝的環境の影響によっても筋肥大は起こりますし、筋肉痛の度合いや発現には個人差があり、トレーニングを積んでいくと耐性ができ­て筋肉痛が起こりにくくなる場合もあります。

もっとも大切なのはトレーニングの質です。

第一には、正しいフォームでターゲットとする筋肉を強く刺激する。そして、漸進的に負荷を高めていき、メニューやプログラムに変化をもたせることです。

これを守っていくことで、筋肉痛が起ころうが、起こらまいが、(成長スピードは別として)筋トレの効果を継続して享受していくことができることでしょう。

また、筋肉痛が発生することを前提とするならば、ターゲットとす­る筋肉に正しく刺激が入っているか、間違ったやり方になってないかを確認できる一つの­指標として筋肉痛の発生がそれを伝えてくれます。

ターゲットとする筋肉以外が筋肉痛­になっている場合は、フォームや種目を見直す必要が出てくるかもしれません。

ただし、基本的には筋肉痛の有無で判断するのではなく、常に正しいフォームでターゲット部位を刺激できているかを意識してトレーニングすることが最も大切であることには変わりありません。

精神論的には、筋肉痛は強くなるための証として、次なるトレーニング、目標へのモチベー­ション維持にも役立ちます。

即発性筋痛

即発性筋痛は、バーニングとも呼ばれ、筋トレ後すぐに起こる筋肉痛です。

主に疲労物質(水素イオン)が溜まって筋肉が酸性に傾くことによって起こり、筋肉が­燃えるような(刺すような)痛みを感じます。

痛みは、筋トレが終わって、しばらくすると引いてきます。
気が付いたら、引いていたといったことが多いと思います。

ただ、強度が高すぎて筋肉や筋膜の損傷が大きい場合も即発性筋痛は起こります。
いわば怪我した状態になりますので、この場合は回復には時間を要することもあります。

もっとも一般的なトレーニングでは、怪我をするほど高強度でトレーニングすることはありませんので、即発性筋痛の発生頻度が多いのは疲労物質が溜まることで起こる場合がほとんどであると言えます。

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