わき腹、腹横筋、内転筋(内もも)、大腿四頭筋、臀筋などを複合的に強化できるサイドアームポジションで行う体幹トレーニングのバリエーションを紹介します。比較的難易度と強度が高い種目なので、サイドプランクなどのサイドから攻める筋トレが楽に感じられるようになってきた人が強度を上げるために取り入れることをオススメするトレーニングとなっています。



体幹をサイドから攻めるバリエーション種目

サイドアームポジションで行うトレーニングのバリエーションとして、かなり運動強度が高くなりますが、スポーツ動作にも応用が利きくおすすめの筋トレをご紹介します。

基本姿勢は、サードアームスタンディングの姿勢です。

この姿勢から下の脚(前の脚)を引き上げていくバリエーションがありました。

サイドアームスタンディング

これに動作を加えていくのが今回の体幹トレーニングです。

体幹強化の応用バリエーション

脚を引き上げたら、うしろにキックで伸ばし、前もキックで伸ばします。これを振り子のように往復する動作を行っていきます。

強化される筋肉

脚を体の下を通していかなければいけないので、軸足になっている方の内転筋は非常に強く収縮しています。

内転筋が緩んでしまうと腰の位置が下がって(落ちて)しまうので、足が下をこすってしまうことになります。

上の脚をしっかり浮かしておかなければいけないので、軸足の内転筋は非常に強く強化されます。体の軸を作るために内転筋が非常に強く収縮していると言うことですね。

その姿勢を保持した状態で片方の脚が体の下を通って前後に伸びていくことになりますが、うしろに蹴り出した脚側のお尻、臀筋が強く収縮した状態になっています。

それから、腹横筋とわき腹(腹斜筋)も強く収縮しています。

逆に前に伸ばした時には、太ももの前側の筋肉・大腿四頭筋が強く収縮するほか、内ももが上を向いた状態になっていて、脚が下に落ちないように支えていかないといけないので当然内転筋も強く収縮すると言うことになります。

動作のポイント

間違っていけないのは、体の下を通していくときにとりあえず脚を伸ばすと言うのではなく、効果を上げるためには膝と膝がこすれていくくらいの動きを作ることが重要なポイントになります。

このように動くことによって、全身を非常に強くコントロールされなければいけませんので、筋収縮の度合いはもの凄く上がっていくことになります。

そして、内もも、わき腹など、多くの人が引き締めたいと思うところすべてにトレーニング効果が出てくる筋トレ種目になりますので、この種目も(体力や経験に応じて)少しずつ応用していって下さい。

回数とセットの構成

慣れるまでは回数を丹念にこなしていく方法が、やりやすいと思います。

最初は1回、2回とカウントしながら、例えば5回を1セットにする。これを逆側も同じ回数行うようにセット終了とします。

さらに慣れてきたらセットを複数セット行うようにします。例えば、1セット目5回、2セット目5回、3セット目も5回という形でセットを増やしていきます。

そして、5セットできるようになったら、今度は連続して何回できるかということを試してみる。

こういうやり方で少しずつ強度を上げていくといいでしょう。

1セットにつき(正しいフォームで)10回以上できるようになってきた場合は、かなり強くなっている証拠です。そこで今度は体のブレがないかなどを冷静にジャッジしていきながら、ブレずに脚を前後に大きく伸ばすことができている、そして回数が10回以上できるようになった、そうした場合には、今度は時間を決めて最大1分間動いてみて、その中で何回できるかというところを一つの目標としてみましょう。

1分間でできる回数を少しずつ増やしていき、ボリュームを上げていく。これがあなたが最初に行っていく上で非常にモチベーション高く取り組めることになると思いますので、ぜひ記録を残しながら毎日やっていただければと思います。

サイドアームポジションで行う筋トレの効果

サイドプランクなど、サイドアームポジションで行う筋トレは、プランクなどの前面から刺激を加える体幹トレーニングと違い体の側面から刺激を加えることになります。

そのため、体幹部としてはわき腹を中心に体幹を固定したり、姿勢の改善に繋がる腹横筋も強化される効果が期待できます。

このようにプランクなどの全面からの負荷を加えるトレーニングと筋肉に対する刺激が違うため、プランク+サイドプランクなどの組み合わせでトレーニングすれば体幹を前後左右から総合的に強化でき、一方だけを行うよりもよりボディメイク、スポーツパフォーマンスのアップに貢献してくれることになるでしょう。

メニューの組み方としては、まずは一般的なプランクから始めて、慣れてきたらサイドプランクなどの横方向から刺激する筋トレをメニューに加える。

そして、さらに体力が付いてきたら脚を上げたり、動きを加えたりとバリエーションにより強度を高めていくようにします。

こうすることで体には常に新鮮な刺激与えられ、肉体は洗練されていくことになります。

効果を高めていくためには、その時々の体力に見合った強度でトレーニングを漸進させていくことが必要です。同じことを続けていてもいずれプラトー(成長の停滞)が訪れるので、だらだらやるのではなく”変化”を意識してトレーニングを進めていきましょう。

正しいやり方で筋トレを続けていけば、必ず体は変わってきます。

ぜひ、負荷を上げたり、バリエーションを取り入れ、強度を高めていくことで体の変化を実感ください。

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筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長