ピラミッドセット法は、軽いウエイトから重いウェイトに上げていき、頂点に達したら今度はウエイトを下げていくトレーニングシステムです。動画に加え、下記テキストにて詳しく説明を加えていますので動画と合わせてご覧ください。


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概要と補足

ピラミッドセット法は、筋トレのセットを組む中でピラミッドを上るように軽い重量から少しずつ上げていき、頂点(基本的にはセット数で頂点が決まります5セットの場合3セット目など)に達したら今度はピラミッドを下るように少しずつ下げていく方法(トレーニングシステム)です。
(このように「上って、下りる」までをすべて実施する方法は、フラット・ピラミッド法やフル・ピラミッド法などと呼ぶこともあります)

体を慣らしながらセットを進められるため、高重量が扱いやすく、拳上重量のアップ、最大筋力のアップ、筋サイズ増加(筋肥大)に効果があると言われています。
また、軽い負荷から始めるので怪我のリスクを抑えることにもつながります。

このシステムは、パワーリフティングの選手が拳上重量を伸ばすために用いることがあり、この場合は上りの最終セットで1回(レップ)だけ反復(MAX)する方法をとります。

例えば、ベンチプレスでセットを5セットで組んだ場合(3セット目が頂点)、1セット目は6~8回で限界に達する最も軽いウエイトからはじめ、2セット目ではウエイトを加えて3~5回、頂点の3セット目ではさらにウエイトを加え1回のみ実施します。

下りは上りとは逆の順番でウエイトを落とし、回数も合わせます。
4セット目に3~5回、最終5セット目は6~8回といった流れになります。

この方法は、頂点でMAX(1RM)を実施することから、非常に高度であり危険も伴う方法であると言えます。
そのため、補助者についてもらって行う必要があり、拳上重量アップや筋力アップを目指す一般のトレーニーは下記の方法で実施することが望まれます。

一般的な方法は、単純に低負荷から高重量に上げていき、セットの頂点に達したら、高重量から低負荷に下げていく手順をとります。(動画で解説している方法)

この場合、頂点ではシステムの中で一番重いウエイトを用いますが、レップ数は1レップに縛られません。

例えば、セットを5セットで組んだ場合(3セット目が頂点)、1セット目は10~12回で限界に達する最も軽いウエイトからはじめ、2セット目ではウエイトを加えて6~8回、頂点の3セット目ではさらにウエイトを加え3~5回。

このように頂点でレップが一番少なる方法(MAXではありません)をとります。

下りは上りとは逆の順番でウエイトを落とし、回数も合わせます。
4セット目に6~8回、最終5セット目は10~12回といった流れになります。
動画で解説しているように、下りは上りで用いたウエイトよりもさらに落としてもOKです。

ディセンディングピラミッド法

ピラミッドセット法において、下りていく(負荷を減らしていく)だけの方法をディセンディングピラミッド法(ヘビーツーライトシステムまたは下降ハーフピラミッドなどと言う場合もある)と言います。

紛らわしいですが、休憩を挟まずにウエイトを落としてセットを繰り返す「ディセンディングセット法」(ウェイト減少法・ドロップセット法)とは別になります。

「ディセンディングセット法」は限界に達したら、休憩を挟まずにウエイトを大きく落として、さらに限界まで繰り返す方法です。これを1~3回続けて1セットとして、複数セット(3セットなど)行います。
(ディセンディングピラミッド法は、ウエイトを落としていきますが、休憩を挟んでセットを進めていきます)

ただし、ピラミッドセット法におけるディセンディングセット形式と言ったような場合は、ピラミッドセット法の一部としてウエイトを減らす形式と言う意味で使われます。

ディセンディングの意味が、大きいものから小さなものへ並べることを意味するため、重量を扱う筋トレにおいては必然的に言葉として使われる範囲が広く、それが紛らわしさの要因の一つとなっているのかも知れません。

なお、ディセンディングピラミッド法とは逆にピラミッドを上っていく(負荷を増やしていく)だけの方法をアセンディングピラミッド法、またはライトツ―ヘビーシステムと呼びます。

研究によるとウエイトを上げていく上り(のぼり)の刺激で筋力アップ、ウエイトを下げていく下り(くだり)の刺激で筋サイズ増の効果が高いとされていますので、目的によって上りのみのアセンディングピラミッド法と下りのみのディセンディングピラミッド法を使い分けて筋トレするものよいでしょう。

ディセンディングピラミッド法とウエイトリダクション法の違い

動画では解説していませんが、負荷を落としていく方法に「ウエイトリダクション法」という方法もあります。

ディセンディングピラミッド法が重量を基準(8RM×1セット+10RM×1セット+12RM×1セットなど、各セットの重量を比較的大きく落とす)とした方法に対し、
ウエイトリダクション法は反復回数を固定して(10RM×3セットなど)して、反復回数に合わせて重量を設定するセットの組み方です。

ウエイトリダクション法は、一般的に使われるセット形式で、筋肥大を目的にしている人がよく用います。

今回のピラミッドセット法など、セットの組み方については、全く同じ名前のセット法でも団体や研究者、提唱者によって方法が若干違うこともあります。
(名前については、筋トレ種目にも同じ動作なのに別々の種目名が存在するのに近いかも知れません)

逆に別の名前でも同じような方法をとることがあります。ここでは一般的な方法として理解して下さい。