ネガティブレップ法は、筋肉­が伸びながら力を発揮するエキセントリック収縮(下ろす動作または戻す動作)を重視して反復するトレーニングテクニックです。筋繊維の損傷を促すことから筋肥大に有効とされています。


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概要と補足

ネガティブレップ法は、下ろしたり、戻したりする動作(ネガティブ動作)など筋肉­が伸びながら力を発揮(エキセントリック収縮)する動作を重視してセットを実施する方法です。

通常のトレーニングにおいては、上げたり、引いたりする筋肉を「縮める」動作と、下ろしたり、戻したりする筋肉を「伸ばす」動作は、反復過程を通じてどちらか一方のみを意識して動作することはあまりありません。

むしろ、筋肉を縮める動作(力を込める過程)は意識するが、筋肉を伸ばす動作、つまり下ろしたり、戻したりする動作には注意を払っていない人が多いと言えます。

そこで、筋肉への刺激を変えることで、より筋肉の成長(筋肥大)を促す方法として活用できるのがネガティブレップ法になります。

ネガティブレップ法の効果

なぜ、ネガティブレップ法が筋肉の成長を促す方法として活用できるかと言うと、筋肉が伸びながら力を発揮するネガティブ動作は筋繊維の微細な損傷が生じやすいからです。

筋繊維の微細な損傷は筋肥大を促すための重要な要素のひとつであることから、ネガティブレップ法は筋肉の成長に有効なテクニックであるとされています。

加えて、ネガティブ動作では、サイズが大きく強い速筋繊維が優先的に使われることも、筋肥大に少なからず影響を与えています。

また、筋肉が縮みながら収縮(コンセントリック収縮)するポジティブ動作より、筋肉が伸びながら収縮(エキセントリック収縮)するネガティブ動作の方が、20~30%ほど強い力が発揮できることが研究により明らかになっています。

この特徴から言えることは、ポジティブ動作で限界にきても(追い込めていても)、ネガティブ動作ではまだ余力を残していることに他なりません。

そこでネガティブ動作でも筋繊維をくまなく動員させ、十分に筋肉を追い込むべく、ネガティブレップ法が活用されるわけです。

ただ、高重量を扱うため怪我やオーバートレーニングにつながる危険もありますので、初心者の­方は一定のトレーニング経験を積んだのち(3ヶ月以上)、下記の活用場面を参考に取り入れることを­検討してみましょう。

ネガティブレップ法の方法

一般的にネガティブレップ法には「パートナーに補助してもらう方法」と「一人で行う方法」があります。

パートナーに補助してもらう方法

パートナーに補助してもらう方法には以下の2種類の方法があります。

  • レップの最初からパートナーに補助してもらう方法
  • レップの途中からパートナーに補助してもらう方法

レップの最初からパートナーに補助してもらう方法

この方法では、通常よりもかなり重いウエイトを用いて、レップの最初からネガティブに重点を置いて反復します。
(かなり重いウエイトとは、普通に反復すると2~3回で限界になるくらいの重さ。または通常用いるウエイトの30%程度重いウエイト)

全レップを通じて、上げる動作ではパートナーに補助してもらい、下ろす動作(ネガティブ動作)では自力でコントロールしながら下ろします。

”コントロールしながら”とは、正しいフォームでターゲットとする筋肉に刺激を感じ、スピードを抑えて動作することを表しています。
スピードは種目によってまちまちですが、3~5秒程度で下すイメージになります。

これを筋肥大に有効とされる目安である8~12回繰り返します。

レップの途中からパートナーに補助してもらう方法

この方法では、通常よりも重いウエイトを用いて、レップの途中で反復できなくなったらポジティブ動作をパートナーに補助してもらい、ネガティブ動作は自力で行います。
(重いウエイトとは、普通に反復すると5~6回程度で限界になるくらいの重さ。または通常用いるウエイトの20%程度重いウエイト)

最初の数回は、通常通り自力でレップを行いますが、通常より重いウエイトを用いるので、早くにポジティブ動作において限界が訪れます。

限界に達したら、パートナーの出番となるわけです。

上げる動作ではパートナーに補助してもらい、下ろす動作(ネガティブ動作)では自力でコントロールしながら下ろすようにします。

限界に達してから2~3回ネガティブレップを行いフィニッシュします。
レップを10回で設定した場合は、7~8回で限界に達したら、補助してもらいネガティブレップで2~3回反復し、所定のレップを完了させます。
または、目標レップは決めず、ネガティブでコントロールできなくなるまで繰り返す方法もあります。この方法は、非常に危険なのでトレーニングする人、補助する人、共に相応の経験が求められます。安易に用いることのないよう注意してい下さい。

なお、反復できなくなったらパートナーに補助してもらいレップを繰り返す方法に「フォーストレップ法(パートナーアシスティッドレップ法とも呼ばれます)」があります。

例えば、1セット10回で設定した場合、フォーストレップ法が、所定の10回が完了し(または9回など所定の回数直前で限界)、11回目は反復できない状態から、さらに追い込むためにレップを加える方法であることに対し、途中からパートナに補助してもらうネガティブレップ法は、最初から10回できない負荷を用いて、限界に達したところから補助してもらいネガティブ重視して数回反復する方法、といった違いがあります。

さらにフォーストレップ法は、スティッキングポイントを超える部分だけ補助してもらい動作を継続します。
つまり、上げられない部分まで補助してもらい、そこを越えたら自力で上げて、下ろす動作を繰り返します。

ネガティブレップ法は、基本的には上げる動作や引く動作の全てにおいて補助してもらいます。
あくまで、下ろしたり、戻したり、ネガティブ動作のみに重点を置くことになります。

一人で行う方法

一人で行う方法は、通常よりも20%程度重いウエイトを用いて、反復できなくなったらチーティングや片方の手や脚で補助して、ネガティブ重視に切り替える方法です。

チーティングを使う方法では、反復できなくなったら反動を使って自力でウエイトを上げ、下ろす動作はフォームを整えてコントロールしながら下ろします。

片側で動作する種目は、もう片方の手や脚で補助して上げ、下ろす動作はブレーキをかけ、コントロールしながら下ろします。

例えば、バーベルカールで反復できなくなったら、チーティングで引き上げ、ネガティブ動作ではコントロールしながら下ろします。
片腕で行うダンベルカールの場合、反復できなくなったら、もう片方の手で補助してダンベルを上げ、ネガティブ動作では補助を外してコントロールしながら下ろします。
あるいは、レッグプレスの場合は、片脚で行うことで、反復できなくなったら、もう片方の脚も使ってプレスし、ネガティブ動作(戻す動作)では片側のみに切り替えて戻すようにします。

限界に達してから2~3回ネガティブレップを行いフィニッシュします。

なお、チーティングを使う方法は、当然ですがチーティングが使えない種目では用いることができません。
そのため、ベンチプレスなど基本的にはチーティングが使えない種目では、パートナーに付いてもらう必要があります。

ネガティブレップ法の活用場面

  • 十分に追い込んで効率的な筋肥大を目指す場合
  • プラトー(成長の停滞)からの脱出を図る場合
  • 継続的な成長を図る上でピリオダイゼーションの考えのもとバリエーションのひとつとして取り入れる場合

ネガティブレップ法は、日々のトレーニングメニューの中に取り入れることができます。

ただし、経験やレベルにもよりますが、過度に取り入れるとオーバートレーニングに陥り、逆に成長を阻害することになりますので、筋肉の回復具合を確認しながら徐々に組み込んでくことが大切です。

例えば、胸のトレーニング日で3種目でメニューを組んだ場合、一種目のみネガティブレップ法を取り入れるようにします。
その後、経験を重ねていく過程で体力レベルや回復状況に応じて、2種目に取り入れたり、逆に刺激を変えるためにネガティブレップ法を一旦休んだりと臨機応変にメニューを組んでいくようにしてみましょう。

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