筋トレにおいて筋収縮の種類や特性を理解しておくことは、効果的にトレーニングを進める上で大切な知識になります。上げる、下ろすなど、様々な筋トレ種目の動作の基礎をなす筋肉の収縮形態(活動様式)を理解して、中身の濃いトレーニングに繋げましょう。


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筋トレ理論一覧

概要と補足

筋収縮の種類には、等張性収縮(アイソトニック)、等尺性収縮(アイソメトリック)、等速性収縮(アイソキネティック)の3様式があります。

筋肉の収縮、活動様式を理解し、意識して筋トレに取り組むことは、長い目で見れば差がついてくるところです。

ただ、あまり意識しすぎるとフォームの乱れが生じる恐れがあります。
正確なフォームで動作することを第一として、働いている筋肉も意識できるようになればベストです。

自分の筋肉が筋トレ動作中にどのように収縮し、働いているのか学んでみましょう。

等張性収縮

等張性収縮は、短縮性収縮(コンセントリック)と­伸張性収縮(エキセントリック)に分けられ、一般的な筋トレでは、主にこれらの筋活動を通じて動作が行われます。

短縮性収縮

短縮性収縮は、筋肉が縮みながら力を発揮する収取形態のことをいいます。

例えば、ダンベルカールでは、肘を曲げ、ダンベルを持ち上げていく過程で上腕二頭筋(力こぶ)が短縮性収縮します。
つまり、筋肉が縮みながら力を発揮することで、ダンベルを持ち上げることができるわけです。

換言すれば、”力を込める”過程で働くのが短縮性収縮であると言えます。

このように短縮性収縮が伴う動作のことをポジティブワークと言うこともあります。

日常生活においては、飲み物を飲もうとコップを口に運ぶ時に上腕二頭筋や上腕筋が短縮性収縮し、コップを持ち上げ口に運ぶことができることになります。

その他、筋トレ種目における短縮性収縮の例

  • ダンベルプレス ・・・ ダンベルを上げていく過程で大胸筋が短縮性収縮する
  • クランチ ・・・ 上背部を床から浮かして、丸め込む過程で腹直筋が短縮性収縮する
  • スクワット(上げる時) ・・・ 腰と膝を伸ばして、立ち上がる過程で主に大腿四頭筋(膝関節を起点として)、ハムストリングス(股関節を起点として)、および大臀筋が短縮性収縮する
  • チンニング(懸垂) ・・・ バーにぶら下がった状態から、肘を曲げて体を上げていく過程で広背筋が短縮性収縮する

※分かりやすいように、補助筋群は除いて鍛えるメインの部位で例示しています。

伸張性収縮

伸張性収縮とは、筋肉が伸びながら力を発揮する収取形態のことをいい、力が抜けないように、ブレーキをかけながらウエイトを下ろしたり、元の姿勢に戻る動作の時に働きます。

例えば、ダンベルカールでは、曲げた肘を伸ばし、ダンベルを下ろしていく過程で伸張性収縮が生じます。
つまり、筋肉が伸びながら力を発揮することで、ダンベルを下ろすことができるわけです。

このように伸張性収縮が伴う動作のことをネガティブワークと言うこともあります。

日常生活においては、飲み物を口に含みコップをテーブルに戻す時に上腕二頭筋や上腕筋が伸張性収縮することで、コップを優しくテーブルに戻すことができることになります。

その他、筋トレ種目における伸張性収縮の例

  • ダンベルプレス ・・・ 上げたダンベルを下ろしていく過程で大胸筋が伸張性収縮する
  • クランチ ・・・ 丸め込んだ体を伸ばし、元の姿勢に戻る過程で腹直筋が伸張性収縮する
  • スクワット(下ろす時) ・・・ 腰と膝を曲げて、しゃがみ込んでいく過程で主にハムストリングス(股関節を起点として)、大腿四頭筋(膝関節を起点として)、および大臀筋が伸張性収縮する
  • チンニング(懸垂) ・・・ 体を上げた状態から、肘を伸ばして体を下ろして過程で広背筋が伸張性収縮する

※分かりやすいように、補助筋群は除いて鍛えるメインの部位で例示しています。

伸張性収縮と筋肉痛

伸張性収縮は筋繊維の微細な損傷が起こりやすいため、伸張性収縮を伴う動作、つまり下ろす動作や戻す動作において筋肉痛(遅発性筋痛・DOMS)が発現しやすいといわれています。

伸張性収縮が伴う動作を重視して反復する「ネガティブレップ法」は、この特性を利用して、筋肉へ過負荷をかけ、筋肉の成長を促すテクニックになります。

筋肉痛の発生だけが筋肥大に繋がるわけではありませんが(研究途上)、ターゲットとする筋肉に集中的に負荷がかけられているか、正しいフォームで動作しているか、それらの一つの目安としても筋肉痛は重要な指標となります。

一見、力を込めて持ち上げる動作が重要であるように思われますが、実は下ろす動作の方が筋肉の成長においては重要であることを理解する必要があります。

筋肉痛については、次回詳しく解説します。

等尺性収縮

等尺性収縮は、関節を固定して壁に手を押し付けるような動作で働く収縮形態です。
筋トレでは、胸の前で手を合わせて左右に動かないように押し付ける動作で等尺性収縮が起こります。

この時、筋肉は収縮していますが、長さが等しくなり、動作は起こらないが、力を出している状態となります。

耳にしたことがある方も多いと思いますが、このときの筋肉の収縮を「アイソメトリック」、動作をアイソメトリック・トレーニングと言います。
ちなみに、アイソは”等しい”、メトリックは”長さ”と言う意味で、そのまま筋肉の状態を表しています。

アイソメトリック・トレーニングは、ダンベルやマシンなどを使って行う通常の筋トレに比べると、目に見えるほどの筋肥大効果を得るには不十分ですが、正しく行えば筋力アップや引き締め効果を得ることができます。

等速性収縮

等速性収縮は、等速性運動が行える特殊なマシンを使って行うトレーニングなど、一定の速度で動作する時に働く収縮形態です。

等尺性収縮(アイソメトリック)が、筋肉の長さが一定であるのに対して、等速性収縮(アイソキネティック)は、筋肉の伸び縮みの速度が一定のもと力を発揮します。

また、等速性収縮もはじめに解説した「等尺性収縮」同様に短縮性収縮と­伸張性収縮に分けられますが、等速性収縮は伸縮速度が一定であるのに対して、等尺性収縮は伸縮速度が一定ではない(一定とは限らない)という違いがあります。

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