アブローラー・腹筋ローラー特有の動きに準じた筋トレを通じて、アブローラーが求める必要な筋群を強化していきます。アブローラーの実現を加速させ、効果的に反復回数を伸ばすことができますので、早くできるようになりたい人、もっと強靭な肉体を手に入れたい人は、ぜひ取り入れてみて下さい。



バーベルを使った補助トレーニング

バーベルを使ってアブローラー・腹筋ローラーに必要な筋群、動きを身に付けるトレーニング方法です。

アブローラーの動きは、ホイールを床の上で転がして腕立て伏せのような形を作っていきながら徐々に体を伸ばしていき、バンザイした状態まで持っていきます。そこから、また逆の軌道を通って元に戻り、動きを繰り返していきます。

体重がもろにかかってしまうため非常に大きな負荷がかかり、なかなか簡単にすることはできません。

そこで、自分の体重や手足の長さを十分にコントロールできない方が運動強度の低いところから徐々に筋力や動作をトレーニングしていくことで、アブローラーを完成させるための手順を説明したいと思います。

プルオーバー

プルオーバー

EZバーを用意し、両端におもり(プレート)を付けます。おもりは、まずは軽めのおもりからはじめ体力に合わせて徐々に増やしていきます。

セットしたEZバーが頭上にくるようにして仰向けになります。肘をできるだけ真っ直ぐにした状態(バンザイをした状態)でEZバーを握ります。

そこから肘を固定したままバーを持ち上げていく動きを繰り返します。プルオーバーと言う種目になります。

頭上に伸ばした状態、プレートが床に触れるか触れないかくらいのところがアブローラーで一番伸びたときと同じ形になります。

徐々に体力が付いてきて、動きに慣れて筋力が追い付いてきた場合には、伸ばした状態のあたりでトレーニングを繰り返すようにします。(おおむね頭上に伸ばしたところから40~45度くらいまでの可動域で反復する)

バーを床に対して腕が垂直になるポジションまでくると負荷が小さくなってしまいますので、効率よくトレーニングするために頭上方向でトレーニングするわけです。

筋力が付いてきたら、おもりを少しずつ足していって下さい。

これが主にアブローラーで必要になる上半身を強化するトレーニングになります。

プルオーバー+レッグレイズ(キープ)

プルオーバー+レッグレイズ

アブローラーは全身を使ったトレーニングになりますので、上半身だけでなく下半身や体幹をさらに強化していく必要があります。

そこで、プルオーバーの動きに加えて、脚を浮かした状態、レッグレイズのポジションでプルオーバーを行ってみましょう。

トレーニングの最中にあまり腰が反ってしまうと、腰を痛めてしまう原因になってしまいます。必ず、脚を上げた時には腰ができるだけ床に近い状態(お腹をへこまして背中を床に付けるイメージ)をキープし、体幹の部分が緩まないようにして下さい。

バーベルクランチ+レッグレイズ

バーベルクランチ+レッグレイズ

次に寝た姿勢でアブローラーの形を作り、必要な筋群を鍛えていくトレーニングです。

脚を上げて腰の角度を90度になるように持っていきます(レッグレイズで上げた時の姿勢)。上半身は背中を浮かしたクランチの姿勢を取ります。バーは天井に向かって上げておきます。

この姿勢から、脚を下ろし、上半身もバンザイする形で下して、体全体を伸ばしていきます。伸ばし切ったら、逆の軌道を通って元の姿勢に戻ります。

このようにアブローラーの動きを仰向けになってバーベルを使ってトレーニングするのも一つ有効な方法として参考にしてもらえればと思います。

下半身の方がどうしてもバーベルのように重さを増やしていくことができませんので、足首にパワーアンクルなどのおもりを巻きつけるという方法を使いますと、さらに実際のアブローラーの動きに近づいていきますので、これもご参考下さい。

Vシットを応用してアブローラー・腹筋ローラーの動作に必要な筋群を鍛える方法

Vシットを応用したアブローラー

アブローラーを完成させるための補助的なトレーニングとしてVシット応用することも有効です。

Vシットは、仰向けに寝転がった状態で体を二つに折りたたんでいくようなトレーニングです。

バンザイをした状態から、上半身と下半身を同じように上げていきます。アブローラーの補助トレーニングとしては、ここにおもりを持って行うわけです。

おもりがかかっている分だけ、当然負荷が大きくなります。バランスが難しくなりますが、フォームを崩さないように反復していきます。

このようなトレーニングをアブローラーの補強トレーニングとして入れておきますと体幹部分、特に体を折りたたむという部分について非常に有効になってきます。

アブローラーは、体をしっかり伸ばした状態でお尻の位置をできるだけ高くするようにしながら、体を折りたたんでいきますので、体幹の部分をできるだけ小さく折りたたんでいく動作が欠かせません。

Vシットをすることによって、その部分を補強することもできますので、ぜひ活用してみて下さい。

ケーブルマシンを活用してアブローラー・腹筋ローラーの動作に必要な筋群を鍛える方法

次にケーブルを使ってアブローラーの実現を加速させるトレーニングです。

アブローラーでは、体を伸ばしていく際に肩から先の上半身の動きに非常にトレーニングの負荷がかかってきます。

肩が弱い、背中が弱い、腕が弱い、どこが弱くてもなかなかアブローラーのトレーニングを完成させることができません。自分の体重を十分に支えるだけの筋力をお持ちでない方の場合は、ケーブルクロスのマシンを使ってトレーニングすることで必要な筋群を効果的に鍛えることができます。

重量はウエイトスタック式のマシンですので、自由にコントロールすることができます。最初は楽に動かすことができるところからはじめて、少しずつレベルを上げていきましょう。

形としては、ケーブルから延長されたチェーンと腕が一直線になるポジションをとります。そこ姿勢から肘関節を固定したまま(伸ばし切ってロックしない。やや曲げた形で固定する)自分の体に引き付けていきます。肩の付け根から腕全体をダイナミックに動かしていきます。

ケーブルマシンを活用したアブローラー

体幹そのものが強くなっていかなければ、アブローラーのトレーニングは完成しませんので、下記のように負荷がかかった状態で体幹だけ動かしていくことをも一緒に行っていきましょう。

ケーブルマシンによる負荷(1)

これを十分にコントロールできるようになってきたら、前屈動作を加えます。床に向けてハンドルを下ろしていく形になります。腰を曲げて手を床に近づけていく時に体幹の筋力が、起動して腹筋群を収縮させています。

ケーブルマシンによる負荷(1)

この動きがアブローラーで体を伸ばしたところから腰位置を高く持ち上げていくときに使っている筋肉になります。

いずれも動きの連動性が必要になってきますので、手、腕、肩、背中、腹筋群、こうしたところをうまく一連の流れの中でしっかりと筋力を発揮できるように少しずつトレーニングをしていってください。

慣れるまでの間は分割したトレーニング結構ですので、自分のイメージの中で実際のアブローラーと相関が取れるように少しずつ進めていくことをおすすめします。

くれぐれも無理がないように最初は軽い重量から、そして負荷を徐々に大きくしていって運動の強度を高めていくことを努力して下さい。

ラットマシンを活用してアブローラーの動作に必要な筋群を鍛える方法

ラットマシンを活用したアブローラー

ラットマシンは通常は背中を鍛えるためのトレーニングとして非常にポピュラーなマシンです。

中にはプレスダウンという種目をやって上腕三頭筋のトレーニングとして取り入れる人もいます。

ハンドル(バー)を広く持つ、狭く持つ、逆手に持つ、いろいろなバリエーションによって引き下ろすというためのトレーニング、それから押し下げるというところで使ったりすることはよく知られています。

今回はチェーンを組み合わせることによってアブローラーのために必要な体幹筋群を強化することも可能になってきます。

マシンのフックにチェーンを付けて、さらにその先にハンドルを取り付けます。ハンドルはフックから垂れ下がった状態になりますが、そのハンドルを上から抑え込むようにして負荷をかけ、体幹の筋力を使ってシートの部分に押し付けるようにして動作していきます。

腹直筋群の左右のバランスを良くするために必ず首の位置を交互にやっていきながら同じ回数行って下さい。

このラットマシンを使って腹筋群をトレーニングするということはあまりジムの中では行われていませんが、チェーンを組み合わせることによって運動を安全に、しかも鍛えたい部分にピンポイントで負荷をかけることが可能になってきますので、こういった使い方を覚えておくと非常に有効になるでしょう。

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筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長